痴漢冤罪に遭遇したらどうなる?――着手金が安い弁護士がアブない理由

 今年に入って首都圏では痴漢の疑いを掛けられて逃亡を図り、ホームから線路に飛び降りる暴挙に出るケースが続出している。冤罪とはいえ痴漢事件に巻き込まれてしまった場合、必要になってくるのは弁護士の力である。  前回は無料で雇える弁護士の存在について紹介したが、そうではなく被疑者や被告人が自腹を切って雇う弁護士が“私選弁護人”だ。

photo by 드림포유 CC BY-SA 2.0

 無料で1回だけ相談に乗ってくれる当番弁護士や、弁護費用を国が負担してくれる国選弁護人と違い、弁護人として弁護活動をする弁護士の費用は全て請求される。その代わり、やる気は十分で、クライアントである被疑者や被告人にとって、少しでも役に立つために働いてくれるだろう。  またやる気も腕もいまひとつであった場合、すぐに解任して別の弁護士を雇うことも可能で、この点も一度選任したら、基本的に解任ができない国選弁護人と違う。

私選弁護人はどこで雇える?

 そんな私選弁護人の雇い方だが、痴漢事件で自分自身が身柄を拘束されてしまっている場合、当番弁護士に私選弁護人として契約してもらう方法が一般的だ。  多くの一般人で、もともと弁護士と知り合いがいるという人は、そう多くない。したがっていざ痴漢事件に巻き込まれて、すぐに私選弁護人を頼めるような人も滅多にいないわけだ。そうなると留置場まで弁護士が接見に来てくれる当番弁護士以外、弁護士と接触するチャンスがない人にとって、私選弁護人を頼めるのは当番弁護士以外にいないのである。  当番弁護士として弁護士会に登録し、被疑者に接見に来るような弁護士は、少なくとも刑事事件の経験が全くないといった頼りない弁護士が少ない。しかし、この接見を機会に私選弁護人契約を結ぼうという“商売第一”の弁護士も実在するので、当番弁護士の良し悪しも国選弁護人と同じく運次第である。  万が一、接見に来た当番弁護士と相性が合わなければ、その弁護士との私選弁護人契約を結ぶのはオススメしない。刑事事件で有利に事を進めるには、弁護人との相性は非常な重要な要素だ。当番弁護士と話してみて、自分とは合いそうもないと思った場合は、その弁護士とは私選弁護人契約を結ばず、別の弁護士を探そう。
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痴漢に間違われたらこうなります!

痴漢冤罪とどう戦うか!?