2017年の干支の相場格言は「酉騒ぐ」。干支ごとのパフォーマンスは?

 2017年の株式市場はご祝儀的に全面高となって幕開けし、「上場の滑り出しだった」(マーケット関係者)との声が聞こえた。しかし、11月以降の株高で、多くの個人投資家は「上がりすぎて今から買うのはちょっと怖い」「そろそろ大暴落があるかも……」と疑心暗鬼になっており、“チキンレース”状態となっているのも事実。円高進行や日経225採用の主力大型株が軟調になっており、不穏な空気も漂っている。  2017年はどのような1年になるか。株式市場では干支ごとの次のような相場格言がよく知られている。 子(ね)は繁栄 丑(うし)つまずき 寅(とら)千里を走り 卯(う)跳ねる 辰巳(たつ・み)天井 午(うま)尻下がり 未(ひつじ)辛抱 申酉(さるとり)騒ぐ 戌(いぬ)笑い 亥(い)固まる  2016年の申年は、イギリスがEU離脱を決めたブレグジットや、米大統領選でのトランプ勝利など、まさに相場格言どおりの“騒ぐ”1年だった。2017年の酉年も引き続き「申酉(さるとり)騒ぐ」で、注意が必要だろう。ただ、日経平均株価の過去のパフォーマンスを見ると決して悪くはない。むしろ、東京五輪が開催される2020年の子年までパフォーマンスは非常によく、期待できる年でもある。 干支 しかし、不安材料もある。マーケット関係者の間では「7のつく年は鬼門」と言われているからだ。過去のデータを見ると、1987年はブラックマンデー、1997年はアジア通貨危機、2007年はサブプライムショックと、歴史的な金融危機が起きた年でもあり、末尾に7がつく年の平均騰落率は最も悪いという。  2017年は、1月20日にトランプ氏の大統領就任があるほか、フランス大統領選、イタリアやドイツでの総選挙なども予定されている。相場格言どおり想定外のことが起こる“騒がしい1年”となるか、東京五輪が開催される子年までの上昇相場の通過点となるか、注目の1年となりそうだ。<取材・文/HBO取材班>