今さら聞けない――確定拠出年金の加入法

「個人型(iDeCo)」はどうやって加入するのか?

 厚生年金や国民年金といった公的年金を補完する制度として、’01年から導入された「確定拠出年金」、実際に加入するにはどのような手続きを踏めばよいのか。 「運営管理機関と呼ばれる金融機関を通じて申し込むことになります。運用の選択肢として必ず預金または保険商品を最低でも1つずつ以上、加えることが共有のルールになっていますが、その他(投資信託)のラインナップは金融機関によってかなり異なっています。したがって、品ぞろえを比較したうえで、いずれの金融機関を選ぶのかが最初のステップとなります」(ファイナンシャルプランナーの深野康彦氏)

手続きには思った以上に時間がかかる点に注意!

 金融機関選びでは商品ラインナップ以外にも見逃せないポイントがあるが、まずは運用スタートまでの手続きの流れを確認しておこう。利用する金融機関を決めたら、月々いくらの掛け金でどの金融商品に積み立てるのかを検討。そのうえで、意中の金融機関のサイトにアクセスし、書類を入手して必要事項に記入して返送する。 確定拠出年金 こうしたやりとりは一般的な口座開設などと同じような感覚だが、指定した預貯金口座から掛け金の引き落としがスタートするのは1か月以上経ってからだ。金融機関はあくまで運営管理のみを担当し、国民年金基金連合会という組織が「iDeCo」の実施主体(元締め)であるためだ。ダイレクトではない分だけ余計に時間がかかる。  さらに金融商品が実際に買い付けられるのは、加入した月から2~3か月も経った後のこととなる。  とはいえ、時間のムダを差し置いてでも、税金が差し引かれずに運用を続けられるメリットは大きい。毎年3%の分配金が支払われる投資信託で、毎月2万3000円ずつ30年間にわたって積み立てたとき、一般口座の成果は約1210万円だが、DCでは1340万円となる。さらに毎年の分配金が5%だった場合は、一般口座の約1596万円に対し、DCでは約1914万円にまで増える計算となる。掛け金に対する節税効果と併せれば、とてつもなく有利に運用できるのだ。 ⇒【資料】はコチラ https://hbol.jp/?attachment_id=124725 確定拠出年金 なお、掛け金の金額は毎年4月~翌年3月までの間に1回のみ変更でき、積み立ての休止や再開も可能だ。ただし、その際にも申し込みから適用までに1か月以上のタイムラグが発生するので、その点には注意が必要だ。
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同じく税制優遇のあるNISAとどう使い分ける?
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確定拠出年金の教科書

確定拠出年金に加入しているすべての人、待望の基本書