プレゼンで「まんべんなく見渡すジグザグ目線」が役に立たない理由

Graphs / PIXTA(ピクスタ)

「プレゼンテーションは、聞き手をまんべんなく見渡して実施することが大事です。Zの文字を描くように、ジグザグに視線を動かして、四隅の聞き手に訴えかけるのです」……プレゼンテーション研修で、講師がレクチャーする「ジグザグ視線」のフレーズだ。  実はこの「ジグザグ視線」、プレゼンテーションの場でやめたほうがいい理由がある。

目も当てられないジグザグ視線

 読者のみなさんも、冒頭のような意味のフレーズを耳にしたことがあるに違いない。私が実施する分解スキル・反復演習の参加者に聞くと、ほとんどの人が習ったという。そこで、実際に、「ジグザグ視線」を実施していただくと、多くの人が、見たり聞いたりすることに耐えないジグザグ視線を披露することになってしまうのだ。  どういうことかと言うと、まず、視線のみのジグザグだ。ジグザグ視線と習っているので、目だけがジグザグに動かしているつもりになっているパターンだ。話し手の本人はジグザグに横に視線を動かしているつもりなのだが、そこに、話し手の普段の、上や、斜め横や、下などの視線の外し方が混在してしまうので、目があちこちに動くという目もあてられない視線の動きになってしまう。聞き手は、それに疲れて、話し手を見なくなる。ましてや、視線を横に動かしたら、聞き手にはノーのボディランゲージが伝わってしまう。得策ではないのだ。
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ジグザグ視線で車酔い?
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