なぜエースコックの即席麺はベトナムで大人気なのか?――圧倒的シェアの謎

エースコック

エースコック公式HPより

即席麺業界で一目置かれるエースコックの高い商品開発力

 エースコックは大阪吹田に本社を置く、多くの人気商品を持つ即席麺のメーカーです。王者・日清食品を始め、多くのライバルが凌ぎを削る即席麺業界にあって、シェアこそ4位ですが、ユニークな商品開発能力は長年に渡って、一目置かれる存在です。  その創業は、創業者の村岡慶二が大阪住吉でパンの製造販売を行う龍門製パン所を1948年に、ビスケットの製造販売を行う梅新製菓を1954年に設立したことに端を発し、1959年に『料理上手なコック』という意味の「エースラーメン」を発売、即席麺メーカー「エースコック」の歴史がスタートしました。  以後、激しい商品開発競争が繰り広げられる業界にあって、同社が業界で初めて作った人気商品やカテゴリも多く、後ほど触れるような数々の人気商品はもちろん、それ以外でも、カレー味の即席麺「カレーラーメン」や餅を入れた「力うどん」等の発売も、実はエースコックが業界初だったりします。  もちろん、現在でもその開発力は健在で、最近も従来のカップ麺と比べて大幅に塩分を抑えた「かるしお」シリーズが「国立循環器病研究センター」が認定する商品に加工食品として初めて選ばれるなど、年間に投入するアイテムはリニューアルも含めると150以上に達するそうです。 第62期決算公告:4月26日官報94頁より 売上高:(国内のみ)407億100万円 経常利益:(国内のみ)27億9800万円 当期純利益:(国内のみ)21億6900万円 利益剰余金:(国内のみ)140億6500万円 過去の決算情報:(国内のみ)詳しくはこちら http://nokizal.com/company/show/id/1171720#flst

「ぶたぶたこぶた♪お腹が空いた♪」でお馴染みのキャラクター

 なお、エースコックといえば「ぶたぶたこぶた♪お腹が空いた♪」のCMでもお馴染み、こぶたのキャラクターが有名ですが、こちらは上記の「エースラーメン」と同時に誕生しており、ラーメン発祥の地、中国では円満と繁栄の象徴とされることに由来しています。  彼にはちゃんとプロフィールもあり、名前はずばり『こぶた』。1959年4月生まれで、性別はオス。大阪出身で職業はコック、得意料理はラーメンで、いつもフライパンを肌身離さず持っています。歴代のこぶたを比較すると、現在も使われている4代目での進化がすごいですね(笑)ちなみに、あまり馴染まないうちに消えてしまったディズニー風の「幻の5代目」も存在するようです。
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時代の空気を反映した各時代の看板商品、名作即席麺
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