熊本市や益城町では、県外からのボランティアを受け入れるボランティアセンターが早期に開設されましたが、訪れたボランティアを十分に受け入れられない状況が生じました。一方で、5月の連休以後はボランティアの数が減少し、人手不足に陥っているとの報道がなされています。こうしたボランティアとニーズのミスマッチは、受け入れ側の態勢の整備や、被災者にボランティアの存在が浸透するまでに時間がかかることなどから、一定期間はやむを得ない現象だと考えられます。
今後重要になってくるのは、声を上げにくい被災者の埋もれがちなニーズを掘り起こし、それをボランティアにつなげる「調整役」の存在です。調整役には、戸別訪問等を通じて被災者の声に直接耳を傾けるなど、きめ細やかな動きが求められます。
また、ボランティアを計画している人には、被災者のニーズが徐々に生じてくることを踏まえて、長期的な視野で意思を持ち続け、活動に参加することを願います。震災直後はボランティアの安全が確保できなかったり、ニーズの調査が不十分だったりするため、それほど多くの作業はありませんでした。むしろ、必要なのはこれからなのです。