「低所得者・低学歴者はタバコの害の知識が少ない」という議論への違和感
2016.06.02
最近、タバコのパッケージを規制するプレーンパッケージ法に関する報道をしばしば見かける。要はタバコメーカーやブランドごとにデザインを変えず、商品名フォントも統一する、という法律である。
しかし、パッケージを統一したとしても、喫煙者は自分の好みのブランドを探して購入するだろうし、非喫煙者にはそもそも無関係な話だ。視認性が低下してコンビニの店員さんなどは困るだろうが、いったい何の意味が?と疑問に感じていた。
そんなおり、5月31日の世界禁煙デーを記念するイベントが日本医師会などの主催で開催され、疑問を解消すべく参加してみた。20年の東京オリンピックに向けて、受動喫煙防止法をテーマとして専門家が講演するといったシンポジウムで、「タバコ警告表示の強化」についての講演もあった。受動喫煙防止法の成立を目指すことはもちろんだが、それに先駆けて健康警告表示をより拡充することが重要だ、という議論である。そう、パッケージに記された「喫煙は、あなたにとって肺がんの原因の一つとなります」といったアレだ。
そして日本の健康警告表示は、WHOが採択した「タバコ規制枠組み条約」が求める「最低でも主たる表示面の30%の面積」という基準を満たしているに過ぎない、という。そこで、この表示の面積を拡げるとともに、画像による警告も併せて載せるべきという提言がなされた。
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