中小企業白書に見る「稼げる中小企業」とそうでない中小企業の差

丹羽唯一朗

ロストコーナー / PIXTA(ピクスタ)

 4月22日に閣議決定された、中小企業庁がとりまとめ「中小企業白書」。この内容を見てみると中小企業の置かれた現状がよくわかる。(参照:「中小企業白書(2016年版) 全文」

 「中小企業白書」で報告された中小企業の置かれた現状と課題についておおまかにまとめてみよう。

最近の中小企業の動向および課題

 同白書では、中小企業数の減少ペースは緩やかになり、倒産、休廃業・解散件数も減少しており、景況・資金繰りも改善してきており、経常利益も2010年以降、安定して伸びており、2008年のリーマン・ショックよりも前の水準よりも高く、過去最高益となっていることがわかる。これは大企業も同様だ。

 しかし、大企業と中小企業では大きく異なる点がある。

 それは、大企業は、売上高を拡大させ、原油・原材料価格低下の恩恵を受け、国内設備投資を抑えることで、経常利益ベースで最高益を記録した反面、中小企業は、 売上高の伸び悩みを変動費や人件費の減少でカバーして過去最高益となったという点だ。

 ではなぜ中小企業においては売上高が伸び悩みを見せたのだろうか?

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アベノミクス不発だった中小企業

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