「爆買い封じ」の中国課税強化策、施行1か月でどうなった?

数人が荷物のチェックを受けていた

 通常よく利用する航空会社の便で、課税強化前と比べ、最後の税関検査での行列が進むのが遅く、確かに待ち時間は増えた印象はあった。しかし、記者はこのときも荷物はノーチェック、開封されることなく通過できた。だがよく見ると税関職員に声をかけられ、奥まった部屋で荷物をチェックされている人が2、3人並んでいた。今まであの部屋で荷物を開封している人が並んでいる光景を見た記憶がないので、実施開始時よりも多少緩くなったとはいえ、確かに課税強化は続いているようだ。
上海浦東国際空港

上海浦東国際空港の出発エリア

 そもそも、今回の課税強化の目的は、内需拡大にあるとされる。中国政府は、国内消費を増やすことを経済成長戦略の柱にしており、その目的が大きい。以前から取り上げているが、中国市場では偽物が氾濫しているため、自国販売製品への不信感や本物やブランドへの執着が強い。同じブランドの製品が中国国内で海外の1.5倍から2倍しても購入できるとしても、違うものだと信じる人が少なくないのだ。  たとえば、紙おむつの花王の「メリーズ」は中国で絶大な人気を誇る紙おむつだが、店舗で売られている輸入品のメリーズと日本で売られているメリーズとでは、紙質が違い赤ちゃんの鳴き声が違うと話す母親もいる。真偽ほどは、ともかくとして、それだけ、中国人の中国市場で流通する商品に対する不信感は根深いものがある。つまり、だったら信用できる本物を自分や信頼できる知人が直接買ってこようという発想になっていると言える。
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