さらにダメ押しで言うと、恐らく誰もがこの角度から写真を取られたらみっともない表情になるであろうアングルで――すなわち、会見のマイク下にリモートコントロール式の小型マイクを仕掛けて撮影された舛添氏の釈明動画を掲載するなど、品位を欠いた印象操作とも言える報道も目についた。フェアネスの感覚があるジャーナリズムであるならば、このような作為的な画像を面白がって取り上げるのではなく、舛添が「溺れた犬」にようになる前に、先陣を切って真相に切り込んだ報道をすべきだったろう。いまやっているのは、「おぼれた犬を叩く」ような弱いものいじめにすぎないのではないか?
既に報じられていたことをいまさらながらに再点火し、「関係者証言」で一斉に袋叩きにし、印象操作とも言えるような映像を流す。これらの事象をまとめると、野々村竜太郎元議員を執拗にネタにし、ベッキーを完膚なきまでに叩きのめしたものと同根のものを感じる。さらに言えば、①単に、政権とオリンピックの費用負担を巡って対立関係にあるという意味での相対的弱者(舛添氏)を②パナマ文書やら東京五輪招致に関する不正疑惑などの重要ニュースよりもウェイトを大きく割いて糾弾しているように思えてならない。
<文/江藤貴紀(
エコーニュースR) 画像:「
Yoichi Masuzoe: “2020 and Beyond: Preparing for the Olympic and Paralympic Games” 」 FCCJchannel on YouTube>
【江藤貴紀】
情報公開制度を用いたコンサルティング会社「アメリカン・インフォメーション・コンサルティング・ジャパン」代表。東京大学法学部および東大法科大学院卒業後、「100年後に残す価値のある情報の記録と発信源」を掲げてニュースサイト「エコーニュース」を立ち上げる。