「自然エネルギー中心」の新電力会社の料金を比べてみた

電力消費が少ない家庭は、自然エネルギーを選ぶと割高に!?

パワーシフト・キャンペーン

 ただし日頃から節電や契約アンペア数を引き下げる「アンペアダウン」に取り組むなど、電力消費が少ない世帯にとっては、事情がやや異なる。例えば、みんな電力の基本料金は東電の30アンペアの基本料金(842.4円)と同等だ。現在、30アンペア未満で東電と契約している世帯が同社に切り換えると、基本料金が上がってしまう。また、みんな電力もLooopも電力単価は段階別ではなく一律のため、電力消費が少ない世帯では割高となる可能性がある。  電力小売全面自由化で、電気料金や電源構成をモノサシに電力会社を選べるようになった。ところが30アンペア以上でないと契約できない料金メニューが多いなど、電力消費が少ない世帯にとっての選択肢は実際には少ない。自然エネルギー中心の電力会社を選ぶ場合もほぼ同様で、日頃の節電や省エネが報われる料金メニューが整っているとは言い難い。  たとえば「みやまスマートエネルギー」(福岡県みやま市)では、低圧電力「みやまんでんき」の従量料金Bプランでアンペア別の基本料金を設定するが、契約できるのは30アンペアからしかない。  同社担当者はこのように説明する。 「みやま市内の世帯における毎月の電力消費量を、事前にHEMS(家庭向けエネルギー管理システム)で調べたところ、300キロワット時以上の世帯が多かった。料金プランも、主にそうした世帯向けに設計している。自然エネルギーの発電単価は、電力消費が少ない世帯がメリットを感じられるまでには下がっていない。また『発送電分離』の実施は2020年で、それまでは(送配電網の使用料金である)託送料金の引き下げも見込みにくい」  ちなみに、「ミツウロコグリーンエネルギー」(東京都中央区)はキャンペーンが選ぶ14社には含まれないが、30アンペア未満でも契約できる。電力単価も段階別だ。FITを含む自然エネルギーを19.55%導入しており(卸電力取引所を除いた2014年実績)、国内の自然エネルギー電力比率(大規模水力含む2013年度実績)である10%を大きく上回る。ただしLNG等の火力が主体で、大手電力からも電気を購入。原発が再稼働すれば原子力による電気も含まれる。  日本の自然エネルギー導入目標は2030年までに22~24%。欧州と比べて少ないが、自然エネルギーの導入拡大自体は「既定路線」だ。その中で、誰でも自然エネルギーを選びやすい制度設計や料金メニューの登場が待たれる。それには自然エネルギーの導入拡大を通じた発電単価のさらなる低下と、電力システム改革の進展が必須だといえる。<取材・文/斉藤円華>
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