ビゲロウ・エアロスペースはまず、2006年と2007年に無人の試験機を打ち上げ、実際に宇宙で試験を行った。そして、その知見を活かして、「BEAM」（Bigelow Expandable Activity Moduleの略）という実際に人が滞在できるだけの大きさと性能をもつ試験機を開発した。 　このBEAMはすでに今年4月9日に宇宙へ打ち上げられており、16日には国際宇宙ステーションへの取り付けが完了した。もちろん、国際宇宙ステーションには今現在も6人の宇宙飛行士が滞在しているため、万が一のことがないように、すぐには空気を入れず、慎重に試験が行われている。実際に空気を入れて膨らませるのは今年5月末ごろの予定となっている。 　また、無事に膨らんだとしても、すぐに宇宙飛行士が中に入れるわけではない。それどころか、基本的にはBEAMの扉を閉じたままの状態にし、飛行士が出入りできる機会は限られるという。安全を第一に考えるなら仕方がないことだが、滞在している宇宙飛行士にとってはもどかしいところだろう。 　BEAMの試験期間は2年が予定されており、この間はずっと国際宇宙ステーションに接続されたままで、宇宙ゴミや微小隕石との衝突や、放射線や熱環境の変化といった宇宙特有の環境に耐えられるか、空気の漏れはないかといったデータを取ることになっている。