レスターを初優勝に導いたラニエリ監督が語った言葉

ラニエリの標榜した「走る」サッカー

 一方、スペインのサッカーファンの間では、バレンシアとアトレチコ・デ・マドリードを指揮した経験があることから、ラニエリは親近感をもたれているる。スペインメディアも、今回の偉業にあたかもスペイン人監督がそれを達成したかのような報道振りで各紙が彼のことを取り上げていた。筆者が在住しているバレンシアではバレンシアチームは彼の采配で1999年にスペイン国王杯を獲得している。スペインの各紙が取り上げている記事の内容を以下に一部紹介することにしよう。 『ABC』は、彼が得意とするのは〈「非常にスピードの早いサッカーと心理的に父親であるかのようにして選手を育てることだ」〉と指摘している。  スピードの速いサッカーについては、スペインで一般紙よりも講読者の多いスポーツ紙『MARCA』のインタビューでラニエリは次のように語っている。
〈「英国のサッカーは大変ダイナミックで、グランド上で激しい戦いを繰り広げ、またタックルも多い。我々はボールを長く保持することが出来ない。何故なら、相手のデフェンスをボールを保持しながら砕いて行くだけの能力を備えた選手がいないからだ。だから、いつもスピードの速いプレーをするようにしている。また、我々はボールのパスでは失敗することの多いチームのひとつだ。しかし、ワン、ツー、スリーでゴールすることができるチームでもある」〉
 そして、彼がこれまで指揮したチームで一番レスターに似ていたのがバレンシアだったという。  筆者も記憶しているが、バレンシアでラニエリが見せていたサッカーは、ゴールキーパーがボールを手に入れると、出来るだけ早くフォワードにボールを送り、直ぐにシュートするというサッカーであった。その為に中盤の選手が時に不要と思えるようなプレーをしていた。  そして、当時のバレンシアのフォワードには、ピオッホ・ロペスというアルゼンチン出身の選手がいた。彼に一旦ボールが渡ると、疾風のような走りを見せて、相手のデフェンス陣が陣形を整える前に彼はシュートしているという試合運びだった。この戦い方で、当時、オランダ人のルイ・ファン・ハール監督が率いていた最強チームのひとつ、バルセロナのデフェンス陣を砕いて得点して勝利した試合がいくつもあった。  だからラニエリのサッカーではグランド上で速いスピードで走りまくることが重要なのだ。
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スペイン紙が報じた「ラニエリの言葉」
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