AIやロボットの台頭で、最悪735万人の雇用減を予想。経産省の見通し

DHLの輸送用ドローン「Parcelcopter」(パーセルコプター) photo by Sam Churchill on flickr(CC BY 2.0)

 2016年4月27日、経済産業省は「新産業構造ビジョン」中間整理を行い、公表した。 (参照:経済産業省※pdf) 「第4次産業革命」、あるいは「インダストリー4.0」と呼ばれるものがある。「第1次産業革命」は、水・蒸気を動力源とした機械を使った生産。「第2次産業革命」は、電気を使い機械を動かして分業の仕組みを取り入れた大量生産。「第3次産業革命」は、コンピューターエレクトロニクスを使ったオートメーション。「第4次産業革命」は、IoT、ビッグデータ、ロボット、人工知能(AI)等による技術革新。全ての機器がインターネットにつながり、ビッグデータを駆使しながら、機械同士が連携するだけでなく、機械と人間とが連携して動くことが想定されている。  経済産業省の「新産業構造ビジョン」は、「第4次産業革命」をリードする戦略的取組である。

日本の「第4次産業革命」に関する二つのシナリオ

「新産業構造ビジョン」中間整理に関するリリースでは、日本の「第4次産業革命」に関して、以下のように、「現状放置シナリオ」及び「変革シナリオ」の二つのシナリオを想定している。もちろん、同リリースでは「変革シナリオ」が推奨されており、好ましいとされている。  第一のシナリオは、産業・雇用の縦割りを温存する「現状放置シナリオ」。データ利活用の企業・系列・業種の壁、 自前主義の温存、データのプラットフォームを海外に依存、労働市場の固定化、既存産業の温存、従来の人材教育の継続という「現状放置」においては、海外のプラットフォーマーが付加価値を吸収し、そのプラットフォームの上で、我が国産業が下請け化、ジリ貧化する。また、中間層は崩壊・二極化(機械化・デジタル化による雇用機会の喪失、賃金の低下)し、ハード中心の漸進的イノベーションに留まるとしている。  一方、第二のシナリオは、産業・雇用の転換・流動化が進む「変革シナリオ」である。AI等技術革新・データを活かした新たな需要の発掘・獲得から革新的なサービス・製品の創出、企業や系列の壁を越えたデータプラットフォーム形成、柔軟な労働市場、外国人の活用、産業の新陳代謝、データ活用を軸とした人材教育システムへの転換、国際的なネットワークの核になることが実現される「変革シナリオ」においては、新たなサービス・製品創出による社会課題の解決、グローバルな市場・付加価値の獲得、労働力人口減少を補う生産性向上、賃金上昇、中小企業や地域経済にも果実波及、産業の再編、雇用の流動化、ソフトも含めた破壊的イノベーションの実現が達成されるとしている。
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「新産業構造ビジョン」の具体的戦略
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