ならば、静観しているのが得策なのだろうか。大手生命保険で運用を手がける担当者X氏は、こう明かす。
「貯蓄性の高い保険の中でも、学資保険はまだ『聖域』。対象が乳幼児持ちの家庭だけで市場規模も小さいことから、販売停止や保険料の引き上げがなされていません。なかには心配になるほど返戻率が高い商品もそのまま販売が続けられているので狙い目かも」
特に「出血大サービスの返戻率」と評判なのが、明治安田生命の「つみたて学資」だ。月額払いか5年間で全保険料を支払う5年払い、一括で支払う全期前納払いなどで保険料を納め、子どもの大学進学時期に保険金を受け取る商品だ。具体的な返戻率は親子の年齢や支払い方法、保険金額で異なるが、0歳の子に5年払い・保険金額400万円で契約した例では、返戻率は124.8%に達した。おまけに、満期を待たずに解約しても、1年経過していれば0.8%の利息がついて返って来るので、もはや子持ちなら加入しないと損なレベルといえる。
「つみたて学資(明治安田生命)」学資保険の中でも返戻率はナンバーワンとされ、128%を超える場合も。ただし満期金は4回に分けての受け取りで、無配当なのでインフレリスクには対応できない
「これだけでも年利(単利)で1%を軽く超えますが、支払った保険料は生命保険料控除の対象になるので、軽減できた税額も合わせれば実質2%超も狙えます(所得税率20%以上の場合)」
リスク投資をしなくても、得する方法はまだある。旅行会社大手のエイチ・アイ・エスでは、支払額にサービス額がプラスされて旅行代金に充てられる積立商品「貯めチャオ」で、年利換算8.4%のコースを5月21日までの期間限定で受け付けている。しかも、夏の旅行に使える3か月プランでは、年利換算でなんと10.4%のプランもあるのだ。
同様に、百貨店にお金を積み立てると支払額よりも多い商品券で払い戻される「友の会積み立て」も、マイナス金利導入以降問い合わせが急増しているという。大丸松坂屋百貨店では、友の会に関する問い合わせが前年同期比5倍に急増し、新規入会者数は2倍となったとの報道も。一般的に12か月積み立てると13か月分の商品券が返ってくる仕組みで、年利では8%を超える有利な制度。旅行やデパートでの買い物の予定があるなら、これらの積立商品にも注目したいところだ。