営業マンに日々達成度を確認する会社に未来はない!――では、どうすればいいのか?

 もちろん、このような会話を繰り返すことで「こんな嫌な思いは二度としたくない」と奮起して、成績上位層に食い込んでくる負けず嫌いな強者も稀にいます。  しかし、そんな人は10人中1人もいないのが現実です。残りの人は「自分なりに一生懸命やっているのに、成果が出ない。どうせ頑張っても無駄なんだ」と学習性無力感に陥ってしまうのです。  では、上司には何が足りなかったのでしょうか? 具体的な指示、アドバイスが足りないのだと私は思います。  今までの「お前、今月いくらだ?」は勉強でいうとこんな感じです。 塾の先生「お前、今回のテスト何点だった?」 生徒「68点だった」 塾の先生「お前、そんなんでKO大学にいけると思ってんのか!?」 生徒「頑張ります」 塾の先生「頑張りますじゃなくて、具体的にどうするか聞いてるんだよ!」  これで勉強を頑張って、テストの点が良くなるでしょうか?こんな塾の先生だったら、どう思いますか?「いいから、早く先生の仕事をしろよ!」と思いますよね。それと同じです。つまり、「お前、今月いくらだ?」しか言わない上司は上司としての仕事をしてないのと同じなのです。  しかし、これと同じようなことを長年、やり続けている上司があまりにも多くないでしょうか? これを繰り返していたら、部下も組織もダメになってしまうと思いませんか? そうです。なってしまうのです。  まず、上司は「お前、今月いくらだ?」を言わない。ここからはじめてみてほしいと思います。  別に、「お前、今月いくらだ?」なんてわざわざ聞かなくても、メールで報告してもらえばいいじゃないですか。その結果に対して、どうこう言うことが大事なのではなく、じゃあ、どうしたらその結果を変えることができるのかというプロセスを変えることが大事なのです。  プロセスに問題があるから結果が出ていないのです。本人もほとんどの場合、本人なりに一生懸命、やっているのです。であれば、具体的に何をどう変えればいいのかをアドバイスしてあげてください。  実は、多くの場合、成果を出すための方法を上司自身がよく分かってないこともあります。これが分かってないと、「もっと頑張れ!」「いいから頑張れ!」「気合が足りない!」と根性論に走ることになってしまいます。  上司に大切なことは部下に成果を出させる方法をきちんと自分自身が確立し、それを手取り、足取り教えてあげることなのです。結果を管理することではなく、成果を出すために確立されてる方法をきちんとやっているのかプロセス管理をすることこそが上司の役割なのです。  また、営業の場合、十分な見込み客も必要です。優秀な営業マンであれば、自分の力で見込み客を探してきて結果を出すことができます。しかし、そんなことができるのは極一部の人だけです。  会社として見込み客を育て、営業マンに渡せるだけのマーケティング活動を、しっかり行っていかないと個人の力量に営業成績が大きく左右されてしまいます。営業マンの数値管理をすることでなく、上司はマーケティング活動を自身で行い、優良な見込み客を開拓できるようになることも重要なのです。 ※2:8の原則とは 参照⇒https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%91%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%88%E3%81%AE%E6%B3%95%E5%89%87 ※学習性無力感とは 参照⇒https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AD%A6%E7%BF%92%E6%80%A7%E7%84%A1%E5%8A%9B%E6%84%9F 岩渕龍正(いわぶち・りゅうせい)/経営コンサルタント。学習院大学卒業後、大手経営コンサルティング会社に入社、医療経営コンサルティングを新規事業として確立。05年、経営戦略研究所株式会社、代表取締役に就任。現在、毎月100件以上のコンサルティングを会社として行っている。著書に『売上目標は立てるな!』(CCCメディアハウス)等 <写真/Yuya Tamai
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