ワインファンドのヴァンネットが破産手続き。ワイン投資はやっぱりダメなのか?

世界ワイン市場の動向

 では、ヴァンネットがかりにまともなファンドだったとしたら、ここ最近の世界ワイン市場においてリターンを上げることはできただろうか?

Liv-ex の指数Liv-ex Fine Wine100

 高級ワインの業者間取引サイトである Liv-ex(ライブ・エックス) の指数「Liv-ex Fine Wine(ライブ・エックス ファインワイン) 100」他がある。これは、高級ワインの取引所を運営するイギリスのLiv-ex社が、世界の高級ワイン100銘柄などから算出しているベンチマーク指数である。  チャートを見ると、「Liv-ex Fine Wine 100」は、2011年6月に高値365ポンドをつけた後、下落を続け、現在、高値から約30%超下落した240ポンド台を推移している。「Liv-ex Fine Wine 100」を構成するワインの大半が、ボルドーワインであり、価格形成に影響をもつ買い手の主体は、中国人(中華系)とされる。

2011年のワインバブル

 2011年のワインバブルの要因は何であったのか? 2009年、2010年と2年連続でボルドーワインの当たり年であったことと、中国人(中華系)による爆買いであるとされる。  2010年10月、Chateau Lafite Rothschild(シャトー・ラフィットロートシルト)は、2008年ヴィンテージのボトルに漢数字で「八」の文字をすべてのボトルに入れると発表した。中国では、シャトーラフィットのブランド力は圧倒的で、かつ、数字の8は、日本の末広がりと同様に、中国でも縁起が良い数字として認識されており、中国人による高値でのワイン購入を促した。これが、2011年のワインバブルに繋がったと言われている。
次のページ
ワインバブル破裂とワイン投資の可能性
1
2
3
バナー 日本を壊した安倍政権
新着記事

ハーバービジネスオンライン編集部からのお知らせ

政治・経済

コロナ禍でむしろ沁みる「全員悪人」の祭典。映画『ジェントルメン』の魅力

カルチャー・スポーツ

頻発する「検索汚染」とキーワードによる検索の限界

社会

ロンドン再封鎖16週目。最終回・英国社会は「新たな段階」に。<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

国際

仮想通貨は“仮想”な存在なのか? 拡大する現実世界への影響

政治・経済

漫画『進撃の巨人』で政治のエッセンスを。 良質なエンターテイメントは「政治離れ」の処方箋

カルチャー・スポーツ

上司の「応援」なんて部下には響かない!? 今すぐ職場に導入するべきモチベーションアップの方法

社会

64bitへのWindowsの流れ。そして、32bit版Windowsの終焉

社会

再び訪れる「就職氷河期」。縁故優遇政権を終わらせるのは今

政治・経済

微表情研究の世界的権威に聞いた、AI表情分析技術の展望

社会

PDFの生みの親、チャールズ・ゲシキ氏死去。その技術と歴史を振り返る

社会

新年度で登場した「どうしてもソリが合わない同僚」と付き合う方法

社会

マンガでわかる「ウイルスの変異」ってなに?

社会

アンソニー・ホプキンスのオスカー受賞は「番狂わせ」なんかじゃない! 映画『ファーザー』のここが凄い

カルチャー・スポーツ

ネットで話題の「陰謀論チャート」を徹底解説&日本語訳してみた

社会

ロンドン再封鎖15週目。肥満やペットに現れ出したニューノーマル社会の歪み<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

社会

「ケーキの出前」に「高級ブランドのサブスク」も――コロナ禍のなか「進化」する百貨店

政治・経済

「高度外国人材」という言葉に潜む欺瞞と、日本が搾取し依存する圧倒的多数の外国人労働者の実像とは?

社会