使い方によっては月額2000円以下で利用できる格安スマホ
大手キャリアでスマホを使おうと思ったら、月額1万円程度のコスト負担は当たり前。それが月額3000円程度、場合によっては2000円以下でスマホを使うことができるのが、昨今話題の格安スマホだ。家電量販店やイオンをはじめ、さまざまな業種が格安スマホを提供しているが、そもそもなぜ、こんなことが成り立つのか?
「格安スマホなら、3G回線は月額1600~1800円程度。LTEでも高くて3000円台でスマホが使えます。大手キャリアでスマホを使おうと思ったら、7000~1万円のコスト負担ですから、半分以下ですよね」とは、ITライターの柳谷智宣氏。
いまだにスマホに乗り換えないガラケーユーザーがいる背景には、使い慣れた機種を手放したくないのもあるが、一番はコスト負担増がネックになっていたから。その問題が、格安スマホなら解消されるというわけだ。
気になるのはなぜ、そんなに安くスマホが使えるのかという点。
「格安スマホを提供しているのは通信キャリアから通信網を借りて、サービスを提供している仮想移動体通信事業者(MVNO)。安い代わりに通信量に応じた速度制限があります。加えて、提供している端末も2万~3万円の安い端末です。そのぶん、月々のコスト負担が安く済んでいるのです」
とはいえ安い端末といっても、全然問題なく使える。
「以前のAndroid搭載スマホは、使いづらい製品が多かったですが、最近はほとんど使用に支障はありません」
逆に言えば、大手キャリアの最新スマホがオーバースペックなのかもしれない。庶民には格安スマホで十分と言えるだろう。ただし、誰もが格安スマホを使えばお得になるわけではないとか。
「大家族なら子どもたちに格安スマホを持たせると節約できると耳にすることもありますが、必ずしもそれで安くなるわけではありません。今は大手キャリアも家族間でのデータ通信をまとめるサービスを提供していますから、家族のなかでキャリアが異なるのは、いくら格安スマホとはいえ、得にならないケースもあります」
こうした格安スマホは、ビジネス的にどうなのか?
「格安スマホを提供している会社の決算状況を見てみると、各社ともカツカツの状況ではなく、50%近い利益率を出しているところもあります。ネーミングは“格安”ですが、格安スマホビジネスは儲かるのでしょう。異業種がこぞって参入しているのは、格安スマホが金脈だと気づいたからですね。参入が相次げば、今後さらに安さ合戦で値段が下がる可能性は十分あると思います。先日もKDDIが、格安スマホの子会社であるKDDIバリューイネイブラーを立ち上げました。今年中にサービスを開始するそうです。大手キャリアが子会社を立ち上げて参戦するぐらいですから、まだまだ格安スマホは伸びると思います」
とにかく安くスマホを使いたい人は、格安スマホを検討するべき。実際問題、最新端末じゃなくても、日々の使用に問題ないのでは? <文/HBO取材班>