閉店相次ぐ「クリスピー・クリーム・ドーナツ」に未来はあるか?

相次ぐ全面撤退。大都市圏でも

広島県は県内初出店から数えても2年弱での全店撤退となった。写真は広島アルパーク

 順調に見えたクリスピークリームの店舗網拡大だったが、2016年に入ると状況が一変する。1月に岡山市、福岡市から一気に全面撤退したのを皮切りに、2月には広島県、京都府からも全面撤退。相次ぐ撤退は地方のみに留まらず、大阪では2015年12月末になんばCITY店が、都内でも2016年2月に神田小川町店が、3月にディラ阿佐ヶ谷店と玉川髙島屋SC店が閉鎖となっている。  特に、ゆめタウン廿日市店(広島県廿日市市)は開店から僅か8ヶ月間の営業となり、国内の常設店舗としては最短。従来の拡大路線からの方向転換を大きく印象づける結果となった。

好調な催事販売、新たな収益源となるか?

未出店の新潟県では2月7日まで伊勢丹で催事出店した

 クリスピークリームは店舗網の縮小を続ける一方、埼玉県北部や新潟県、鳥取県など、といった未出店地域の百貨店などでの催事販売は活発化させている。  既に出店済の地域ではブームの沈静化による客離れが見られるが、スターバックスコーヒーの鳥取県初進出時(2015年5月)には、開店前日から行列が発生したように、未出店地域においては「デパートの催事でしか買えない」という「物珍しさ」も相まって、需要が見込めると判断したのであろう。
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米国でもあった大規模撤退。販売手法転換で活路
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