音楽のダウンロードのサポートも搭載、ワイアレスヘッドフォンがあればオフライン時にも楽しめる
スマートフォン・携帯電話やモバイルブロードバンド端末(MBB)、ホームデバイスなど幅広い製品を扱うファーウェイ。昨年10月、初のスマートウォッチを発表した。それもパッと見ただけでは、とてもスマートウォッチとは思えない高級感のあるクラシックなデザインのものばかり。日本で販売されるモデルは4種類。ベルト幅が18mmと標準サイズなので、洋服にあわせて市販のものと取り替えることも可能だ。
他のスマートウォッチと一線を画している。時計盤部分のディスプレイは、Androidのウェアラブル端末としては最も鮮明で、まるで本物のアナログ時計のよう。時計のヘッド部分に傷つきにくいサファイアクリスタルを使用したのは、円形スマートウォッチでは初。時計盤のバリエーションも多く、さまざまな生活シーンにあわせて使い分けができるのがうれしい。なにより高級感のあるクラシックな雰囲気は、時計好きからの支持も得られそうだ。
「HUAWEI WATCH」
OS:Android Wear
動作環境:Android 4.3以上/iOS 8.2以上
電池のもち:約1.5日
センサー:加速度センサー、ジャイロセンサー、心拍センサー、気圧計センサー
値段:45,800円~81,800円(税抜)
バンド部分に「おサイフケータイ」を組み込んだソニー「wena wrist(ウェナ リスト)」
アナログ時計の美しさと、ウェアラブル端末としての機能性を両立
その成り立ちから、他のスマートウォッチとまったく異なっているのがソニーの「wena wrist」。昨年8月、ソニーのクラウドファンディングサイトとEコマースのサイト「First Flight」で支援を募り、約2か月間で、目標額の10倍を超えクラウドファンディングにおける日本記録となる107,166,000円の支援が集まり話題となった。
「wena wrist」は、これまでのスマートウォッチとは異なり、機能やセンサーがバンド部分に組み込まれていて、操作はすべてiPhone上でおこなう。ヘッド部はソニーがデザインし、シチズンが製作したアナログ時計。つまり、通常の時計として機能を保ちつつ、スマートウォッチとしての役割も同時に果たす。これまで時計部分に機能を詰めこむため厚みが気になっていたが、これならスマートに腕にフィットする。バンド部は高級腕時計でもよく採用されているステンレス素材を使用。通常は、外装に金属を採用すると、データの送受信が不可能な構造になるところを独自のアンテナ技術を開発することでカバーし、機能美も追求している。
「wena wrist」のコンセプトは、「持ち物を減らし、身軽なライフスタイルを提供」すること。そのためおサイフケータイ、通知、ログと機能を3つに絞っている。FeliCaチップが搭載されていないiPhoneでおサイフケータイを使うには、専用ケースを購入するしかなかったが、「wena wrist」なら財布はもちろんスマホすら出す必要がなくなる。通知機能は、バックル部分のLEDの色や振動で特定の人の着信やメール、SNSの更新が確認できるというもの。必要な機能がきっちり押さえられていて、むやみに多機能なものより、シンプルで使いやすいともいえるだろう。デザイン好き、新しいモノ好きにも好まれそうだ。
「wena wrist」
OS:なし(独自プログラム)
動作環境:iOS 8.0 以上
電池のもち:約1週間(時計の電池は約3年間)
センサー:活動量計(加速度センサー)
価格:(クラウドファンディング時の参考価格)39,800円~69,800円(税込)
※開発中のため最終仕様ではなく見込み
新型のスマートウォッチは、各メーカーが機能や価格、デザインなど多様な視点で開発した結果、消費者にとって選択肢が増えた。電池のもち次第では、時計好き層にも浸透していくだろう。TPOによって洋服を着替えるように、スマートウォッチをファッション感覚で複数個持つ。そんなライフスタイルはもうすぐそこまで来ている。3月中に発表されると噂される、Apple Watchの後継モデルの動向次第でマーケットの活性化が期待される。<取材・文/橋村望>