全然お得じゃない!? スマホ5000円以下の新料金プランにご用心!

既存ユーザーは逆に負担増になることも!

 そもそも大手キャリア3社が4月から新プランを開始する背景には、昨年12月に有識者によって提言されたタスクフォースに沿って、総務省が“ライトユーザーに向けた月額5000円以下のプラン”新設を要請した経緯がある。スマホの利用料が高いということは、以前から言われ続けていることではあるが、総務省の要請はあくまでもライトユーザーに向けたプランの新設のみ。ほとんど通話やデータ通信を行わない“超”が付くほどのライトユーザーしかお得感のないものと言わざるを得ないのが現状だ。  加えて、総務省が要請したもうひとつの項目に“端末販売適正化”がある。これは、MNPや新規加入者に対する端末価格の大幅値引きを是正するといったものだ。この要請を受け、ドコモがいち早く実質0円での端末販売終了を発表し、それにauとソフトバンクも追従した形だ。それに伴い端末価格が1~2万円ほど値上げされている。つまり、総務省の要請によってライトユーザーだけが得をする格安プランが登場した一方、端末価格は値上げという結果になっている。つまり、標準的なユーザーにとっては、料金プランでの恩恵どころか、逆に機種変更やMNPなどの乗り換え時の負担が増える結果となったのだ。  スマホ料金に対するユーザーの不満を緩和するための要請が、さらに一般ユーザーの不満を募らせる結果となったことからも、迷走具合が見て取れるスマホ業界。総務省は第2弾、第3弾と段階を重ねて行う料金適正化の取り組みにも期待しているようだが、一般ユーザーが恩恵にあずかれる日が近いか否かは不透明と言わざるを得ないだろう。<文・図版/古作光徳> 【古作光徳】 パソコン関連誌の編集部を経て、2006年にライターとして独立。主にパソコンやスマホ、家電関連誌などを中心に活動中。近年は車やバイク、将棋など、趣味関連誌の執筆や編集にも携わっている。
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