バーニー・サンダースがアイオワで語った言葉【演説完訳】

「Enough is enough!(もうたくさんだ!)」

 みなさん。革命的なアイデアへの準備はいいでしょうね?

photo by Annette Bernhardt on flickr (CC BY-SA 2.0)

 その革命的なアイデアとは、我々が、富裕層だけでなく、勤労世帯にも機能する経済体制を作るということです。  そして、数百万もの人々が貧困ライン賃金で働いている状況で、我々は、最低賃金を15ドルに引き上げるということこです!  そして、そうです、女性にも同一賃金を支払うのです!  アイオワ中を駆け巡りました。我々の陣営は集会に次ぐ集会で7万人近い人々とお話ししました。  多くの人々が立ち上がって”バーニーさん!大学行ったんだ、大学卒業したんだ、で、今、6万ドル、8万ドル、9万ドルの借金を抱えている”とおっしゃるのを聞きました。  狂ってる。これは狂ってる。彼らはまともな教育を受けようとしただけです。罰せられるべきではない。これこそが 2016年に、公立大学は学費無料になるべきだと信じる理由です。この主張に対しては私の批判者たちはこういうでしょう「バーニーさんよ、そりゃいい考えだ。タダだってね。でもどうやって財源を確保するの?」と。財源の確保をどうするか言いましょう。ウオールストリートの投機筋に課税すりゃいいんですよ。貪欲で無軌道で不法なウオールストリートの振る舞いは、この国の経済を無茶苦茶にしました。国民はそのウォールストリートを助けたんです。今度は、ウォールストリートが中流層を助ける番です。  そして我々がアメリカの変革を語る時、どの国よりも沢山の人々を刑務所に入れているという不名誉な現実に行き当たります。それもアフリカ系とラテンアメリカ系に偏って。我々は、刑務所や拘束ではなく、雇用と教育を若者に提供します。  ちょっと驚くべき話をしましょう。  私は上院エネルギー委員会と上院環境委員会に所属しています。世界中の科学者たちと話をしました。議論の結果は明白。気候変動は、真実です。そして我々には、世界中の国々と共同して、我々のエネルギーシステムを化石燃料から省エネそして持続可能エネルギーに変えていくべき、倫理的な責任があるのです。  びっくりするのは、本当にびっくりするのは、共和党のどの候補者も、世界中の科学者が同意するこの話に触れないということです。なんで彼らが触れないかわかりますか? 彼らが気候変動の現実を認め変革を主張した途端、何が起こるかわかりますか? 彼らはコーチ一族や(訳者注:カンザス州に拠点を置く全米第二位の規模を誇る私企業・コーチ工業の創業家一族)や化石燃料業界からの献金を失うんです。選挙資金ばかり心配するな、自分たちの子や孫に残していくこの星の事を心配しろと、共和党の候補者には申し上げたい。  この選挙期間中、私は、何度もなんども批判され続けてきました。いいんです。大丈夫です。  でも、私が信じていることを繰り返し申し上げましょう。世界のすべての主要国が健康保険を国民の権利として提供しているのだから、アメリカ合衆国も同じようにすべきだと。ウオールストリートジャーナルやワシントンポスト、そして、「アメリカ株式会社」とかにいる私の批判者には、健康保険は権利であって特権じゃない!とはっきり申し上げます!  そしてそれが、公的医療保険制度こそがすべての人々に医療を提供し、医薬品によるぼったくりをなくし、中流世帯の年間数千ドルに上る医療コストを削減すると信じる理由です。  他の大統領候補が言わないことで、この演説を締めくくりましょう。  それは、どの大統領でも、バーニーサンダースでも、誰であれ、若年層や高齢者が必要とする変革をもたらすことはできないということです。大統領一人の力は限られています。次々と献金してくるウォールストリート、「アメリカ株式会社」のような大きな選挙資金提供者は強大なので、どの大統領も、やらねばならぬことを一人ではやれないのです。  だからこそ、今夜アイオワがやったことは、政治革命なのです!  もうすでに政治に興味を失った人々、ワシントンで行われていることに失望し不満を持っている人、これまで政治に興味を持っていなかった若者を含む数百万の人々が一緒に、若者や労働者や高齢者がともに立ち上がっり「もう沢山だ!」と、我々の政府は、この偉大な国の政府は、少数の金持ちではなく我々みんなの政府なのだ!と声をあげる政治革命。この革命が起こるとき、我々は、この国を変えることができるのです。  ありがとう!” <文・翻訳/菅野完(Twitter ID:@noiehoie) photo by Michael Fleshman on flickr (CC BY-SA 2.0)  photo by Annette Bernhardt on flickr (CC BY-SA 2.0)>
すがのたもつ●本サイトの連載、「草の根保守の蠢動」をまとめた新書『日本会議の研究』(扶桑社新書)は第一回大宅壮一メモリアル日本ノンフィクション大賞読者賞に選ばれるなど世間を揺るがせた。メルマガ「菅野完リポート」や月刊誌「ゲゼルシャフト」(sugano.shop)も注目されている
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