再増税で日本経済は撃墜される【政治経済学者・植草一秀】
2014.09.29
発表された4-6月期のGDP成長率は年率▲7.1%。しかし、この衝撃の数値すら「在庫」という売れ残りの大量発生でかさ上げされた偽の数値にすぎない。このまま12月に迫った消費税10%増税の判断を安倍首相が誤れば、日本経済は完全に崩壊する!?
(政治経済学者 植草一秀氏)
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総務省が発表する家計調査によると、7月の2人以上世帯の実質家計消費支出は前年同月比5.9%の減少を示した。家計消費がここまで落ち込むと、GDPの浮上はあり得ない。家計消費が激減している最大の理由は所得の減少だ。7月の2人以上の勤労者世帯の実質収入は前年同月比6.2%減少した。財布の中身が減り、財布のヒモを固くしているのだから、消費が浮上するわけがない。
別の統計になるが、7月の現金給与総額は前年比+2.6%と10年ぶりの高い伸びを示した。だが、中身を見ると、ボーナスが増えただけで本給そのものが増えていない。ひと月だけ増えても消費は盛り返さないのだ。
財務省は来年の再増税を狙うが、客観情勢は完全な赤信号を送っている。安倍首相は早期に追加増税凍結の判断を示して、日本経済の崩落を回避するべきである。
【今週の数字】
4-6月期の真のGDP成長率
▲17.1%
’14年4-6月期GDP成長率は、9月8日改定値で年率▲7.1%と発表された。だが、大量の売れ残りでかさ上げされた分と国内需要の減少分を加味すると、実際は▲17.1%
【選者】植草一秀氏
シンクタンク主席エコノミストなどを経て、現在はスリーネーションズリサーチ(株)代表取締役。ブログは「植草一秀の『知られざる真実』」。著書に『日本の真実―安倍政権に危うさを感じる人のための十一章―』(飛鳥新社)がある
4-6月のGDP成長率▲7.1はまやかしにすぎない!大量の売れ残り発生で撃墜された日本経済!【後編】
『日本の真実―安倍政権に危うさを感じる人のための十一章―』 「支配者の偽計と幻想」を見抜く! |
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