[底値ナンピン買い]で資産2億円超の公務員

地方公務員ながら、株投資で築いた資産は2億円超。“逆張りナンピン買い”というリスクとも思える手法の裏には「公務員トレード」とも呼ぶべき、堅実な投資術が存在していた!

公務員トレーダーが資産2億円突破!

「“利益は恐怖の報酬”だと肝に銘じて、急落時の底値拾いとリスク管理を徹底してきたからこそ、平凡な公務員の私でも資産を増やせたのでしょうね」  そう話すのは30代の公務員トレーダー・吉良吉影氏(仮名)だ。底値銘柄の逆張りナンピン手法で築いた資産は、なんと2億円超という猛者である。
[底値銘柄ナンピン買い](秘)株投資術を公開

開始当初は微増もリーマンショックで壊滅的打撃。以後、現在の逆張りナンピン手法に開眼し、’11年には億超えを達成。’13年には2億円を突破する

「株投資を始めたのは’05年。最初は順調でしたが、ライブドア&リーマンの2大ショックで完璧にヤラれました。そのときに思ったのは、『得は二の次、損しないことが先決』だということ。それまでの損大利小なトレードを反省し、下値余地の少ない低位株を狙い、それもナンピン買いできるだけの資金余力を50%は残して買うスタイルに変更。それが功を奏して、3年で1億円を超えました」  最近では、アベノミクス株高で億超えトレーダーも増えているが、運頼みも多い。しかし、アベノミクス以前に億超え達成済みの吉良氏、その実力はお墨付きだ。 「アベノミクスで信用取引を使っている人は爆益でしょうが、私は現物だけ。銘柄選択眼もないし、買った銘柄が『テンバガー』(10倍になる爆騰銘柄)になっても持ちきれない。損切りするにも大きなストレスを感じる、弱い人間です。株をやりつつも静かに暮らしたいからこそ、行き着いたのが今の保守的な手法なんです」  公務員らしい「損失回避優先」の保守的手法が吉良氏の特徴。その銘柄選びからして慎重だ。 「底値圏にある低位株狙いなので、それをPBRやPERなどでスクリーニングして探すこともあれば、会社四季報を使うこともあります。『増配』『復配』といったポジティブな単語が書いてあるのに株価が底値圏で横ばいなら、いずれ見直される可能性がある。時価総額100億円以下で、ボラティリティが高い銘柄が好みですね」  ランキングも参考材料になる。 「値下がり率ランキングを見て大きく下げている銘柄をチェックすることもあります。逆に、値上がり率ランキングでどんな業種の銘柄に資金が集まっているかを見て市場のトレンドを分析し、そこから底値圏で推移している銘柄を探すこともあります。最近、面白そうだなと思っているのは、時価総額が小さな電気・精密機器関連」 「例えば」と吉良氏が挙げてくれた銘柄は、フュートレック(東マ・2468)とインターアクション(東マ・7725)の2つだ。 「気になる銘柄は必ず過去10年ほどのチャートを見て、最高値に対して、どのくらいの水準かを確認します。フュートレックは昨年1800円の高値をつけて現在は500円台。インターアクションは2006年に2210円の高値をつけて今は600円前後です。ともに狙い目の水準ですね。史上最安値付近にあれば、下値不安が少ないので、買いトレードです」  吉良氏が今春に買ったオンコセラピー・サイエンス(東マ・4564)はその典型だ。過去チャートを見ると、高値から暴落、市場最安値付近まで下落していた。 「買う直前には、信用買い残を確認します。信用買い残が大きいようだと将来の売り圧力となるので改善されるまでは様子見。一方、信用売り残が大きければ、買い圧力だから積極的に買います」 ⇒【後編】に続く https://hbol.jp/8162 <吉良流スクリーニング法> 1.「PBR1倍以下、PER10倍以下」の条件でまずは割安株探し! 2.時価総額100億円超、株式分割している銘柄は排除していく 3.過去10年分のチャートで、現在値が底値圏の低位株をチェック 4.信用買い残が増えている銘柄(エントリー直前) 【吉良吉影氏】 某地方都市で静かに暮らす公務員トレーダー。’05年に100万円で株投資を始め、現在は資産を2億円超に増やす。現物での逆張りスウィング中心 http://ameblo.jp/zinseinanakorobiyaoki/ [底値銘柄ナンピン買い](秘)株投資術を公開
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