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活字離れやデジタルデバイスの普及に伴うメディアの多様化などを背景に、2015年の出版物の販売額が11年連続で前年を割り込む(1兆5220億円(前年比5.3%減、出版科学研究所調べ)など、苦境に立たされている「出版業」の倒産状況について、2月3日、東京商工リサーチが特別企画としてリポートを発表した。
発表によれば、2015年の出版業の倒産は38件で2014年より3件増加となった。1996年以降の20年間では4番目に少ない件数だというが、2013年に続き2年連続の増加となる。
日本経済全体で言えば、2015年の全産業の倒産件数は8812件と7年連続で減少しているが、それとは対象的な結果となった。
原因別でみると、最多は「販売不振」の26件(構成比68.4%)。次いで、「既往のシワ寄せ(赤字累積)」6件(同15.7%)、「他社倒産の余波」4件(同10.5%)と続く。
2015年の全産業の倒8812件のうち「販売不振」は5959件(同67.6%)であり、出版業の「販売不振」を原因とした倒産は構成比率で全産業の平均を上回ったことになる。また、「既往のシワ寄せ」が前年と比較し6倍へ急増。慢性的な業績不振による赤字経営で行き詰まった企業が目立つ。他業界と比較して、出版業は不況型倒産の比率が84.2%と高く(全産業比率81.1%)、苦境に喘ぐ業界の姿を反映した格好となった。