16年の有望テーマ株――キーワードは「一部昇格」と「ダブル・コード」
2016.02.06
資産2.5億円の「かぶ1000氏」、2億円の「御発注氏」ら“億り人”たちの注目銘柄から、圧倒的な情報網と人脈でお宝銘柄を発掘する株式ジャーナリスト、さらにはK氏関連仕手筋情報まで。生き馬の目を抜くマーケットで常勝する株のプロフェッショナルたちはどんな銘柄を見つけたのか?
昨年11月には3月期決算企業の中間決算が出揃い、’15年度も下期に突入した。中間期の業績を、株に精通している勝者たちはどう見たのだろうか?
3億円トレーダーのDAIBOUCHOU氏と、1.5億円兼業トレーダーのさとりん氏の見解は共通していて、「投資家の景気回復期待、好決算期待が高かったせいか、決算内容が好調でも、事前の予想通りの内容だと失望売りされてしまうケースが多数見られました」(さとりん氏)という。
一方で、今後の相場を展望したときに明るい材料も3つある。
増配を発表する企業が増えている背景に、株主還元への意識の変化がある。株式ジャーナリストの大神田貴文氏は次のように説明する。
「日本には世界的に見ても高収益の優良企業は数多いのですが、利益を貯め込むばかりで株主に還元しないことが株価低迷の元凶と指摘されてきました。そこで出てきたのが、’15年から施行され、証券関係者の間で『ダブル・コード』と呼ばれる『スチュワードシップ・コード』と『コーポレートガバナンス・コード』の2つの新規則。この2つのコードは、企業に株主本位制を徹底させ、効率化と利益還元充実で株価の押し上げを図るのが狙いで、配当性向が低い企業、キャッシュリッチな企業、低PBR企業、低ROE企業が狙い目になります」
かぶ1000氏は「セクターごとに傾向があって、例えば証券セクターだと、中小も大手もネット証券も全体的に配当性向が高い傾向がある」と話す。ここから、配当利回りや配当性向が低い証券セクター銘柄がターゲットになるという。
DAIBOUCHOU氏によると、増配をする経営体力、配当の原資を多く持っていることが前提となるが、「PERが低いのに、配当利回りも低い企業」は今後、増配を発表する可能性があるという。
「PERが低く株価も低いなら、本来は配当利回りが高めに出るはずですが、それが低いのは、そもそも配当金が少ないため。今後、増配したり配当性向を高める余地が残っている可能性があるといえるでしょう」
株式ジャーナリストの植草まさし氏によると、もう一つの特徴が「1部昇格の増加」だという。
「’15年は11月末までに他市場から東証1部に68社が昇格を果たしました。このうち約6割の40社が2部からの移籍組。東証1部上場の信用力は大きく、昇格と同時に機関投資家の買いが格段に増え、株価が急騰するケースが相次いでいます。このため、機関投資家に先回りして昇格候補株を買っておく投資手法が有効になります」
本年も東証1部への移籍が相次ぎそうだ。
「企業業績が回復基調にあり、利益や時価総額など1部昇格に遜色ない企業は50社ほどあります。さらに、親会社による子会社買収や合併、創業者が全株を買い戻す非上場化(MBO)で、1部企業は年20~30社のペースで減っています。1部上場株の減少は、取引高に応じて手数料を得る東証の業績悪化に繋がるので、東証は1部銘柄を供給し続ける必要がある。東証は株式会社組織であり、自らの利益のために、多少は無理をしてでも他市場の企業を1部に押し込んでくるだろう」(植草氏)
郵政3社の上場が終わり、残るビッグイベントは「米国の利上げ」のみ。「自然と株式市場では物色のステージに移るだろう」と見ているのは、株式ジャーナリストの竹中文博氏。
また、フィスコ・リサーチレポーターの飯村真由氏も「何を買っても儲かる年ではないから、好決算を先回りして買うとか、テーマ性のある株を買っていきたいですね」と話す。
本年にはZMPの上場が控えているため、自動運転関連に注目が向かいそう。ほかにも左のように複数の有望テーマ株があるので参考にしてほしい。
「機関投資家は時価総額200億円以下の会社はカバーしていない。時価総額が小さい企業は玉石混交ですが、そういうところにお宝銘柄は眠っているものです」(かぶ1000氏)
億り人やマーケットに精通している勝者が明かしてくれた爆騰必至の銘柄で、爆益を狙いたい。
2016年注目株テーマ
●ソフトウェア更新需要
●リニア
●国産ジェット機「MRJ」
●子育て支援・婚活
●バイオ・iPS・再生医療
●2020東京五輪
●日ノ丸月面着陸
●自動運転
●人工知能
【DAIBOUCHOU氏が着目!増配企業の特徴】
●「借金」が少ない、あるいは借金がない
●「配当性向」が低い
●「現金または預金」を多く持っている
●PERが低いのに、配当利回りも低い
― 空前のバーゲン株 ―
企業が株主還元に積極的になり、増配発表が相次ぐ
東証1部上場株の減少分を2部から昇格させる事例増
竹中博文氏と飯村真由氏が着目!
ハッシュタグ