インデックス投資の極意は「世界経済の箱庭」を作ること――で、その手法は?
2016.02.11
短期的な乱高下相場に翻弄され、大損してしまう株&FX投資家が多いなか、着実に増やしているのがインデックス投資家だ。インデックス投資家とは、日経225やTOPIXなどの指数と連動するファンドを毎月積み立て購入していくだけの地道な手法。しかし、地味なだけに猿マネも簡単だ!資産形成を目指すなら、まずは堅実な投資法も学ぶべし!!
kenz氏:資産総額[数千万円]
「あいつらは積み立てることばかり考えて、出口を考えていないからバカ――。そんなことをよく言われます。でも、インデックス派だって当然、出口戦略は考えていますよ」
そう言って笑うのは東京郊外に暮らすサラリーマンのkenz氏だ。
「現在の仕事は精神的なストレスも大きいので、『会社を辞めても暮らしていける』という選択肢を持っておきたいんです。私は現在44歳。理想を言えば50歳までに1億円以上の資産を築いてセミリタイアの選択肢を持っておきたい。そのために取り組んでいるのが、7年前に始めた“世界経済の箱庭”を自分のポートフォリオに再現する分散投資です」
⇒【資料】はコチラ https://hbol.jp/?attachment_id=81175
株や債券、不動産など世界の金融市場の縮図を作成するのが彼の考え方。そのため、投資先も多岐にわたる。
「まず資産を半分に割って、片方は定期預金などの無リスク資産にし、残り半分で日本や先進国、新興国の株や債券、それに内外のREIT、個人向け国債などの低コストな投信を幅広く分散して購入していきます」
そこにはこんなこだわりも。
「例えば、世界の株式市場の指数としてよく利用されるのがMSCIコクサイ・インデックスですが、これだと世界の上場企業の約85%しかカバーされない。残り15%の中小型株をカバーしないと世界経済の箱庭とは言えません。それに『時価総額の小さい銘柄群のほうが長期的にはリターンが高くなる』とする小型株効果もある。そのため、世界の株式市場に上場する企業のうち、時価総額の小さな株へ投資する『EXE―iグローバル中小型株式ファンド』をポートフォリオに組み入れておくわけです。とはいえ、スパイス的に少額購入するだけですが」
こうして選定した世界経済の箱庭ポートフォリオを毎月15万円ずつ買っていく。バランスを気にしながらも、なるべく下落したものを購入。「『新興国株が落ちているから買おう』とか気分次第(笑)」らしいが、相場の暴落時こそチャンス到来とばかりに、資産の半分を占める無リスク資産が火を噴く。
「’15年8月の上海ショックでは翌日から約10万円ずつ4日間に渡り買い続けましたし、東日本大震災のときも私自身、帰宅難民となりましたが、週明けから3日間、50万円ずつ合計150万円を購入しましたよ」
7年前から始めた分散投資は今、約1.5倍にまで膨れ上がった。セミリタイアもそう遠くはないのでは。そのときの出口戦略とは?
「まだ先だとは思いますが、リタイアできたときには、箱庭の比率を崩さずにリスク資産を無リスク資産に移行させていく。もし株価が暴落したら、それはもう仕方ない。資産運用は必ず上手くいくとは限りません。そのときはセミリタイアという選択肢が遠のくだけ」
謙遜するkenz氏だが、第三次世界大戦でも起きない限り、世界の箱庭ポートフォリオが総崩れすることはほぼゼロ。確実に資産を増やし、早期のセミリタイア生活に邁進中だ。
【kenz氏のアセットアロケーション】
世界の株式を43.7%と中心に据え、中小型株も組み入れ、世界経済を再現したポートフォリオを目指す
【kenz氏の出口戦略】
投資中のリスク資産と無リスク資産の比率を変えて資産管理する!
【kenz氏】
都内勤務サラリーマン。リーマン・ショック直前の’07年に月1万円でインデックス分散投資を開始。現在は最低月15万円をノルマに積み立て数千万円まで資産増。ブログ「インデックス投資日記@川崎」 http://longinv.blog103.fc2.com/
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