「政府の株価対策はうまくいくのか?」藤沢数希氏

藤沢数希
政府・与党は、法人税の実効税率の引き下げのほか、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の運用資産構成見直しなどを検討しており、最近、株価を刺激している。しかし、これらの株価対策は本当にずっとうまく機能するのだろうか?

法人税減税とGPIFの運用資産構成見直しを見込んで株価は上昇。政府の株価対策はうまくいくのか?

(人気ブログ「金融日記」管理人 藤沢数希氏)

「政府の株価対策はうまくいくのか?」藤沢数希氏 この原稿を書いている時点で、日経平均は1万5000円程度まで回復している。株価上昇の大きな要因は政策期待である。何度目の成長戦略なのか筆者は覚えていないが、政府が6月末にまとめる「日本再興戦略」で、法人税減税とGPIFの運用資産構成見直しが発表されるのではないか、と市場で期待が高まっている。今回は、この2つが株価にどのような影響を与えるのか解説したい。

 法人税率の引き下げは、株価を恒久的に引き上げる非常に好ましいものだ。株価を決める要因はファンダメンタルズと需給に分けられる。法人税減税は企業のファンダメンタル価値を引き上げるのだ。そもそも株式というのは、その会社が将来稼ぎ出す利益の分配を受け取るための権利証書だ。会社の利益はすべて株主のものである。

 会社の損益計算書を読むと、一番上にまずは会社の売上高がある。そこから製品を作るために仕入れた原材料費などを引く。これが粗利益。そこから社員の給料を引くと営業利益になる。そして、銀行に借金の利息を払う。それでも残っている税引き前利益を国がピンハネする。このピンハネ率が法人税率だ。こうして取引先に支払い、社員に給料を払い、銀行に利息を払い、国に税金を払い、それでも最後に残っている利益が、ようやく株主のものなのだ。国のピンハネ率が下がれば、株主の利益が増えるので、その分はダイレクトに株価が上昇する。会社経営者が、最後に分け前をもらう株主の利益を追求していけば、取引先、社員、銀行、国とみんながハッピーになるというのが資本主義の考え方だ。

⇒【後編】「大本命は法人税率の引き下げ」に続く

【藤沢数希氏】
欧米の研究機関にて博士号を取得。その後、外資系投資銀行に転身。ブログ「金融日記」は月間100万PV、ツイッターのフォロワーは8万人を超える。最新刊『外資系金融の終わり』が発売中

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