ナイキ、グローバルアイコンをロナウドからネイマールに。スペイン紙報じる
MARKETING DEPORTIVO』が11月26日付でそれを明らかにした。
ロナウドは2009年にマンチェスター・ユナイテッドからレアル・マドリードに移籍。昨シーズンまでレアル・マドリードの監督を勤めたイタリア人 カルロ・アンチェロティーは「自分が指導した選手の中で最高の選手だ」と述べてロナウドを非常に高く評していた。一方、ネイマールはブラジルのサントスからバルセロナに2013年にメッシの後継者として移籍したが、未だに彼の潜在能力を発揮しないでいた。
ナイキの社内ではロナウドの後継者はネイマールだと決めていたようだ。問題はその時期であった。2014年のブラジルで開催されるワールドカップの前に、如何なる戦略を取るか社内で協議を重ねたという。既にロナウドには陰げりが見え始めていたが、ネイマールはブラジルではアイドルとして存在してはいるが、世界レベルとなるとまだ彼の潜在的なパワーは表に出ていなかった。このジレンマの中で、ナイキはネイマールに賭けることに踏み切れないでいたという。そこで、上述紙によるとナイキは、〈ネイマールへの戦略キャンペーンは強化するが、ワールドカップに向けてのグローバルキャンペーンはロナウドで行く〉という保守的な決定を下したのだという。
蓋を開けて見ると、ワールドカップでのロナウドは期待外れに終わった。この時点でナイキはネイマールにキャンペーンの軸を移すことを決めたという。しかし、バルサでのネイマールのプレーにはまだ際立ったものが存在していなかった。一方、ロナウドは2014年度のベストプレヤーに選ばれた。そこでナイキはロナウドに賭け続けることにして、同時に、ネイマールへの傾斜も更に強めることに決めた。
2015-2016年シーズンに入ると、二つの問題が起きた。ネイマールは依然メッシに陰げりを見させる程の活躍がなかった。〈ロナウドはプレーさばきに輝きが失われ、ベニテス新監督そしてペレス会長との摩擦も起きた。30才になって、今期がレアル・マドリッドでの最後のプレーになる〉という噂もある。〈「あと5年のプレーだ」〉と彼自身も言っている(参照「El Economista」)。また、ロナウド自身のブランド「CR7」が靴を発売しようとしたところナイキが激怒するという騒動もあった。
そして、ついにナイキがネイマールに賭けることを決めた出来事が起きた。メッシが怪我で8週間プレー出来なくなり、バルサのアイコンが不在中のネイマールのプレーは期待に充分に応えるもので、バルサの最強時のテンポ良く得点に結びつくパスを使う本来のプレーに戻ったという。その中心にいるのがネイマールだ。メッシの後継者と呼ばれていたネイマールがついにメッシが不在中にその能力を発揮したのだ。これがナイキが同社のサッカー界のアイコンをロナウドからネイマールにバトンタッチさせることに決めた動機となったのだという。
今度はネイマールがナイキのグローバルアイコンとして以前よりさらに露出が増えていくことだろう。ちなみに、メッシはアディダスと契約している。
●ナイキ・フットボール(http://www.nike.com/jp/ja_jp/c/football)
<文/白石和幸>
スポーツ関連商品を扱う世界トップ企業の米国のナイキ(NIKE)はサッカースポーツのアイコンをクリスチアーノ・ロナウド(30歳)からネイマール(23歳)にバトンタッチさせることをついに決めたという。この二人の選手がプレーしているスペインの電子紙『
しらいしかずゆき●スペイン在住の貿易コンサルタント。1973年にスペイン・バレンシアに留学以来、長くスペインで会社経営から現在は貿易コンサルタントに転身
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