【実機レビュー】新型Apple TV登場。第3世代と何が変わった?

AppleTV 2015年10月30日、第4世代となるApple TVの最新モデルがリリースされた。第3世代の発売から3年ぶりのリリースとあって、世界中のファンから注目を集めている、この最新モデルの進化した点を解説する。

よりパワフルに進化したハード

 まずはスペック面から。CPUは、第3世代に搭載されていたA5チップからiPhone6シリーズで採用されるA8チップへと3世代も飛び越える進化を見せたほか、物理メモリも512MBから2GBへと大幅に強化。また、8GBだったストレージの容量も32GB/64GBに増えている。様々な用途に利用されるパソコンやスマホ、デバイスと比べ、映像の視聴を中心にゲームなどのアプリを動かすといった用途に限られるApple TVの特性を考えれば、必要十分なスペックを満たしているといってもよいだろう。  インタフェースの大きな変更点は、新たにHDMI CECに対応したこととUSBポートがType-AからType-Cへと変更されたこと、そして光デジタルオーディオのポートが撤廃されたことにある。HDMI CEC対応によって、Apple TVの電源を入れればテレビの電源もオンになるといった具合に連携性能もアップした半面、オーディオ出力もHDMIを通して行うため、テレビ内蔵のスピーカーを使っている場合は問題ないが、アンプを利用している場合はHDMIへの対応が求められるので注意が必要だ。また、対応する解像度は前モデルと同じ1920×1080のフルハイビジョンまで。4K対応テレビが普及している今、物足りなさを感じるユーザーもいるかもしれない。 ⇒【資料】はコチラ https://hbol.jp/?attachment_id=67332
AppleTV

第4世代Apple TVと第3世代Apple TVのスペック比較

待望のアプリ対応だが、ラインナップの充実はこれから

 第4世代Apple TVには専用の「tvOS」が搭載され、Appストアにアクセスすることでアプリをダウンロードすることが可能となった。ただし、現時点での対応アプリは少なく、動画視聴やゲームを中心としたものに限られている。今後のアプリ開発とラインナップの充実に期待したいところだ。

タッチパッド搭載のSiri Remoteで操作性が大幅にアップ!

 テレビのリモコンといえば、操作ボタンが多くて複雑なもの。そんな概念を吹き飛ばしてきた歴代Apple TVのリモコンだが、第4世代のリモコンには、タッチパッドを搭載した「Siri Remote」を採用。スマホやタブレットのように指先を滑らせるだけで直感的に画面が操作できるほか、タップは物理ボタンをしっかり押し込む方式となっているため、ミスタップの心配もなく確実な操作を行うことができる。  なお、Siri Remoteは、Bluetoothによって接続されるため、従来のテレビのようにリモコンをテレビの方に向けて操作するといった煩わしさがなく、手元で自然に操作することができる。

遂にSiri対応! 高精度な音声認識で再生操作もラクラク

 第4世代のApple TVには、iPhoneやiPadでお馴染みの「Siri」機能を搭載。「Siri Remote」の「Siri」ボタンを押している間だけ音声を認識する仕組みを持っている。作品名や俳優名を話しかけて映像を検索できるほか、「5秒戻して」や「一時停止」、「最初から再生して」といったような再生に関する操作も音声で行うことができる。  面倒な文字入力やボタン操作を必要とせず、リラックスしたまま意のままに操れるのがApple TVの真骨頂といえよう。なお、天気や時刻といった情報を尋ねて答えてもらうといった小技も便利だ。  Apple TVは、一般家庭でもっとも大きなディスプレイを持つ「テレビ」というデバイスに動画視聴やゲーム、各種ユーティリティなどエッセンスを加えてくれるデバイス。一人で楽しむのはもちろん、家族団らんの中心的存在としての活躍も見いだせるだろう。現時点では動画視聴や海外製のゲーム、子供向けのアプリを中心としたラインナップが目立つが、今後、国内向けや様々なカテゴリのアプリが登場してくることは必至だ。価格も32GBモデルなら2万円以下と入手しやすい。この第4世代、ズバリ“買い”なのではないだろうか?<文・図版/古作光徳> 【古作光徳】 パソコン関連誌の編集部を経て、2006年にライターとして独立。主にパソコンやスマホ、家電関連誌などを中心に活動中。近年は車やバイク、将棋など、趣味関連誌の執筆や編集にも携わっている。
バナー 日本を壊した安倍政権
新着記事

ハーバービジネスオンライン編集部からのお知らせ

政治・経済

コロナ禍でむしろ沁みる「全員悪人」の祭典。映画『ジェントルメン』の魅力

カルチャー・スポーツ

頻発する「検索汚染」とキーワードによる検索の限界

社会

ロンドン再封鎖16週目。最終回・英国社会は「新たな段階」に。<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

国際

仮想通貨は“仮想”な存在なのか? 拡大する現実世界への影響

政治・経済

漫画『進撃の巨人』で政治のエッセンスを。 良質なエンターテイメントは「政治離れ」の処方箋

カルチャー・スポーツ

上司の「応援」なんて部下には響かない!? 今すぐ職場に導入するべきモチベーションアップの方法

社会

64bitへのWindowsの流れ。そして、32bit版Windowsの終焉

社会

再び訪れる「就職氷河期」。縁故優遇政権を終わらせるのは今

政治・経済

微表情研究の世界的権威に聞いた、AI表情分析技術の展望

社会

PDFの生みの親、チャールズ・ゲシキ氏死去。その技術と歴史を振り返る

社会

新年度で登場した「どうしてもソリが合わない同僚」と付き合う方法

社会

マンガでわかる「ウイルスの変異」ってなに?

社会

アンソニー・ホプキンスのオスカー受賞は「番狂わせ」なんかじゃない! 映画『ファーザー』のここが凄い

カルチャー・スポーツ

ネットで話題の「陰謀論チャート」を徹底解説&日本語訳してみた

社会

ロンドン再封鎖15週目。肥満やペットに現れ出したニューノーマル社会の歪み<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

社会

「ケーキの出前」に「高級ブランドのサブスク」も――コロナ禍のなか「進化」する百貨店

政治・経済

「高度外国人材」という言葉に潜む欺瞞と、日本が搾取し依存する圧倒的多数の外国人労働者の実像とは?

社会