注射したくない……インフルエンザ「予防接種」を会社から命じられたら断れる?
冬になると、インフルエンザの流行が気になりますが、最近は「予防接種をしましょう。業務時間内に通院しても良いですよ」と社員に呼びかける会社も少なくないようです。
ひとたび発症すれば「予防接種はしたのか?」。接種せずに発症した従業員は肩身の狭い思いをしているようです。
一方で「痛いのは苦手」と嫌がる人もいるでしょう。ネットの掲示板では、高齢者施設の厨房で働くパート従業員が、「人にうつさないためといわれると抵抗を感じます」と投稿し、賛同の声を集めていました。勤務先からのワクチン接種命令に従う義務はあるのでしょうか?
◎原英彰弁護士の回答
会社がワクチン接種を命じても、原則として、従うべき義務はありません。ワクチン接種は、可能性は低いものの、副作用のリスクがあります。また、ワクチン接種以外でも、インフルエンザの蔓延を防ぐ方法はありますので、ますそちらを優先的に行うべきです。
就業規則などの労働契約上の根拠があったとしても、必要性や合理性は認められず、業務命令として命じることはできません。
医療従事者など、患者に接する機会が多く、かつ感染すると他人にも感染を広げやすい業種であればともかく、高齢者施設の厨房で働く人の場合、接種の必要性はそれほど高くないと考えられます。調理にあたって感染予防の処置をとったり、感染の兆候がでたスタッフの出勤を禁じるなどで対応としては十分でしょう。<文・協力/弁護士ドットコム>
医療従事者などを除いて「ワクチン接種命令」に応じる必要はない
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