くい打ち業者の実態調査、下請け企業にしわ寄せが行く構造が明らかに――東京商工リサーチ

写真はイメージです。photo by RewSite/PIXTA(ピクスタ)

 旭化成建材による大規模マンション「パークシティLaLa横浜」の「くい打ち」データ偽装を受けて、国交省は旭化成建材以外の業者にも調査の対象を広げる検討に入った。  こうした状況を受けて、東京商工リサーチは、同社が保有する日本最大級の企業データベースを活用し、くい打ち業者の動向を調査・分析し、その結果を発表した。  それによれば、くい打ち業者は全国に454社あり、その半数以上が従業員10名未満、資本金1000万円未満は3割、さらに、前年と業績が比較可能な313社では、最新期の売上高5億円未満が約7割となり、「くい打ち業者」の大半が小規模企業であることがわかった。  また、建設業界は現在復調しつつあると言われており、それを反映してか対前年増減収別では、最新期の増収が180社と約6割に上っており、黒字率も8割近い241社となっている。しかしその反面、前年の当期純利益と比較して減益となった企業は5割を超えている。  このことから考えると、案件数が増加している反面、工期は以前よりもタイトになっており現場作業員を通常よりも多く配置する現場もあるとの声も聞かれ、人件費などの経費負担が利益率を押し下げている可能性があるとしている。また、為替環境の変化により輸入資材の価格高騰の影響もしているものとみられる。  東京商工リサーチは、これらの結果を受けて、くい打ち業者の大半は小規模企業であり、元請ではなく、2次や3次、4次とみられるため売主や元請の意向に業況は大きな影響を受けやすいと分析。業界特有の多重下請構造が、今回のデータ偽装の根底にある可能性があるとしている。  また、今回の一件で生じた消費者の不信感払しょくや業界の信頼回復に向け、現場監理体制が強化された場合、その費用のしわ寄せが2次請以下の業者に及びかねず、下請けの小規模企業の利益率はさらに悪化することになると見ている。  第2、第3のこうした事件を防ぎ、下請け業者だけに負担が集中することがないように業界全体をあげて最良の監視体制や費用負担について一刻も早い合意形成が望まれるとしている。 (参照:東京商工リサーチ) <文/HBO取材班>
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