衝撃! ブルーベリーでは結局「目は良くならない」!?

実はビルベリーですら眼機能向上効果に疑問符

『ビルベリーとブルーベリーの抗酸化作用の比較』という研究では両者の成分量を比較している。俗に「カラダのサビを防ぐ」と言われ、抗酸化作用の強いポリフェノール含有量では、ビルベリーはブルーベリーの24倍以上。さらに、カラダをサビさせる活性酸素に対する除去力も8倍以上ビルベリーのほうが高いという。だが、そのビルベリーですら、日常的な摂取量では明確な結果を得られていない。  実際、国立健康・栄養研究所の『「健康食品」の素材情報データベース』で「ビルベリー」の項目を見てみると「夜間の視力を改善する目的では、実の摂取は効果がないことが示唆されている」「1日あたり、ビルベリーエキス160mg(生の果実で約60g分)×3回を3週間摂取しても、夜間の視力やコントラスト感度に影響は認められなかった」など夜間視力の改善には疑問符がつく研究結果が多数ある。  ただし、ポジティブな評価もないわけではない。「ビルベリーの果皮・果実のエキス粉末120mg/日を7日間摂取させたところ、眼精疲労による筋調節力の改善や動体視力の改善が見られた」という報告もある。ただしこれは「予備的な報告」にとどまっており、さらなる検証が必要な段階である。  わずかながら効果が期待できるビルベリーですらそうなのだ。つまるところ、「ブルーベリーは目にいい」は「信じたい人は信じればいい」という頼りない宗教のようなものなのだ。 <文/松浦達也> まつうら・たつや/東京都生まれ。編集者/ライター。「食」ジャンルでは「食べる」「つくる」「ひもとく」を標榜するフードアクティビストとして、テレビ、ラジオなどで食のトレンドやニュース解説を行うほか、『dancyu』などの料理・グルメ誌から一般誌、ニュースサイトまで幅広く執筆、編集に携わる。著書に『家で肉食を極める! 肉バカ秘蔵レシピ 大人の肉ドリル』(マガジンハウス)ほか、参加する調理ユニット「給食系男子」名義で企画・構成も手がけた『家メシ道場』『家呑み道場』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)はシリーズ10万部を突破
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