米株反発は意外!? でもそれもそろそろ転換点か

吉田 恒氏

吉田 恒氏

 米株、NYダウが8月中旬以来、約2か月ぶりの水準まで反発してきた。これはなぜで、いつまで続くのか?  この米株高が、短期的な下がり過ぎの修正ということはあっただろう。NYダウの90日MA(移動平均線)からのかい離率は、NYダウが一時的に1000ドルの暴落となった、いわゆる「8・24パニック」直後にはマイナス10%以上に拡大した。  同かい離率がマイナス10%を大幅に超えたケースはITバブル破裂やリーマンショックなどの株暴落局面でしかなかった。そんな株暴落局面以外では、かい離率がマイナス10%以上に拡大したケースは、短期的な下がり過ぎを示していた。その意味では、最近にかけての米株反発は下がり過ぎ修正といえる。  NYダウはここにきて、ほぼ90日MAまで戻ってきた。つまり、下がり過ぎは修正されたといえる。ここからさらに株高になるなら、上がり過ぎを拡大に向かうことになるが、果たしてそれはいつまで続くのか?  NYダウの52週MAは足元で1万7588ドルだ<資料参照>。NYダウはこの52週MAをすでに2か月以上も下回る動きとなってきた。経験的には、これだけ長く52週MAを下回る株安は一時的ではなく、中期トレンドが株高から株安へ転換した可能性が高い。そうであれば、普通ならもう52週MAより大きく株高にはならないのが基本だろう。 ⇒【資料】はコチラ https://hbol.jp/?attachment_id=65385
NYダウ

<資料>

 以上のように見ると、米株反発はそろそろ最終局面の可能性が高いといった見方になるだろう。そうではなくて、NYダウがかりに52週MAを大きく上回り、つまり1万8000ドルを超える動きになるなら、それは過去の経験では説明が困難な異例の現象が起こっているということになるが、果たしてどうか?(了) ◆10月のFXアカデミア関連の会場及びWEBセミナーのご案内 10月28日=「100万ドルナイト」為替短中期予想セミナー http://www.m2j.co.jp/seminar/ 【吉田 恒氏】 1985年、立教大学文学部卒業後、投資情報会社の代表取締役社長などを経て、2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケットエディターズ」の日本代表に就任。国際金融アナリストとして、執筆・講演などを精力的に行っている。また「M2JFXアカデミア」の学長も務めている。 2000年ITバブル崩壊、2002年の円急落、2007年円安バブル崩壊など大相場予測をことごとく的中させ話題に。「わかりやすい、役立つ」として、高い顧客支持を有する。 著書に『FX7つの成功法則』(ダイヤモンド社)など ●FXマーケットスクウェア http://www.m2j.co.jp/landing/fx_market_square/ ●ツイッター http://mobile.twitter.com/yoshida_hisashi ●FXの学校「アカデミア」 https://www.m2j.co.jp/mp/my_fxacademia/
ハッシュタグ
バナー 日本を壊した安倍政権
新着記事

ハーバービジネスオンライン編集部からのお知らせ

政治・経済

コロナ禍でむしろ沁みる「全員悪人」の祭典。映画『ジェントルメン』の魅力

カルチャー・スポーツ

頻発する「検索汚染」とキーワードによる検索の限界

社会

ロンドン再封鎖16週目。最終回・英国社会は「新たな段階」に。<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

国際

仮想通貨は“仮想”な存在なのか? 拡大する現実世界への影響

政治・経済

漫画『進撃の巨人』で政治のエッセンスを。 良質なエンターテイメントは「政治離れ」の処方箋

カルチャー・スポーツ

上司の「応援」なんて部下には響かない!? 今すぐ職場に導入するべきモチベーションアップの方法

社会

64bitへのWindowsの流れ。そして、32bit版Windowsの終焉

社会

再び訪れる「就職氷河期」。縁故優遇政権を終わらせるのは今

政治・経済

微表情研究の世界的権威に聞いた、AI表情分析技術の展望

社会

PDFの生みの親、チャールズ・ゲシキ氏死去。その技術と歴史を振り返る

社会

新年度で登場した「どうしてもソリが合わない同僚」と付き合う方法

社会

マンガでわかる「ウイルスの変異」ってなに?

社会

アンソニー・ホプキンスのオスカー受賞は「番狂わせ」なんかじゃない! 映画『ファーザー』のここが凄い

カルチャー・スポーツ

ネットで話題の「陰謀論チャート」を徹底解説&日本語訳してみた

社会

ロンドン再封鎖15週目。肥満やペットに現れ出したニューノーマル社会の歪み<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

社会

「ケーキの出前」に「高級ブランドのサブスク」も――コロナ禍のなか「進化」する百貨店

政治・経済

「高度外国人材」という言葉に潜む欺瞞と、日本が搾取し依存する圧倒的多数の外国人労働者の実像とは?

社会