SEALDs奥田氏が安保法案採決の”改竄”議事録を批判。「次の参議院選挙までは絶対に頑張ります」

 安保関連法案成立からほぼ1か月後の10月15日、参議院議員会館での会議室に奥田愛基氏(明治学院大4年)が現れた。

参議院議員会館で会見を行う広渡清吾氏(左)、水上貴央氏(中央)、奥田愛基氏(右)

 当日行われた記者会見では、9月17日に参院平和安全法制特別委員会が強行採決した議事録への異議を表明。地方公聴会で公述した水上貴央弁護士と広渡清吾前日本学術会議会長も一緒だった。  奥田氏は、安保法制反対などを掲げる学生中心の団体「SEALDs」の中心メンバー。9月28日には本人と家族に対する殺害予告が届いたが、今回は「何かしら意見を言わなければならないと思った」と久々に表舞台に顔を出した。そして、この議事録が参議院が3連休中の10月11日に公開されたことに対して、次のように批判した。 「なぜ、このタイミングなのか。後でつけ加えて、なかったことを『ある』と言っても、マスコミも我々も気がつかないだろうということ。バカにされた気分だ。こんな形で議事録を残してしまえば、後から客観的な確認もできなくなり、許されない。憲法上のクーデターに近い」

議事録に事実と異なる記載がある

 さらに水上弁護士は与党議員らの強行採決に対しても「この異常事態を取り繕うために、議事録に『改竄』や『捏造』を加えている」と批判。  法案成立直後の速記録では鴻池祥肇委員長の発言が「聴取不能」と記載されていたが、今回公表された議事録には「可決すべきものと決定した」という部分が加わり、速記停止中に採決されたにもかかわらず、「速記を開始し」との文言も加わった。  水上弁護士は野球に例えて、こう説明した。 「タイム中に観客が雪崩れ込んできて内野を“人間かまくら”で囲み、ピッチャーが勝手に3回ボールを投げて『三振』『ゲームセット』としたようなもの」  広渡氏も「事実と違うことが記録されている。(それを)全国民が見ている。事実と違うことは『捏造』ですよね。『委員会審議をしなくても、議事録さえ書けばいい』という問題が生じる」などと批判した。  水上氏は、採決不存在を求める無効訴訟を検討中だと表明。そのタイミングについて聞くと、「最速で1か月半後。来年早々に予定されている違憲訴訟よりも前に出すことが可能。(無効訴訟と違憲訴訟を)“両輪”のように進めていくといいだろう」と答えた。

SEALDsの活動は参院選に向けて来年春から本格化

奥田愛基氏

 会見では奥田氏が、18日13時から渋谷ハチ公前で街宣を行うことを告知。野党関係者やゲストスピーカーも参加予定であることも紹介した。国会前から場所は変わるものの、法案成立後、初めての集会。  すでに奥田氏は「次の参議院選挙までは絶対に頑張ります」と来年夏までの活動継続を明らかにしている。その思いをこう訴えた。 「SEALDsのメンバーには全く悲壮感がありません。(法案が成立した)9月19日、国会前で朝5時まで集会をやりました。別に5時までやりたかったのではなくて、終電がなくなったからですけれども。新年を迎えた朝のような気がしました。法案が通ったのは負けかも知れない。重く受け止め、今までとはもっと違うやり方を試さないといけない。しかし、その新しいやり方や世代を超えて闘える準備が、もう我々にはできている。政党を超えて、信条を超えて、保守革新を超えて、安倍政権を倒す」 「これからは当分学業に専念しながら、できる範囲でできることをやっていく」と奥田氏は自然体の構え。「11月ごろに今後のSEALDsの活動方針や内容を発表、来年春からは参院選向けに活動を本格化させる」と意気込んでいる。  10月18日の街宣ではスピーチの予定はなく、「目立たないように参加することになるとでしょう」(奥田氏)とのこと。殺害予告もあり奥田氏自身が前面に出ることは当分は控えるものの、SEALDsは再び参院選に向けて動き始めている。 <取材・文・撮影/横田 一>
ジャーナリスト。8月7日に新刊『仮面 虚飾の女帝・小池百合子』(扶桑社)を刊行。他に、小泉純一郎元首相の「原発ゼロ」に関する発言をまとめた『黙って寝てはいられない』(小泉純一郎/談、吉原毅/編)の編集協力、『検証・小池都政』(緑風出版)など著書多数
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