多発するiPhone6sの不具合。iOS 9.0.2どれくらい改善された?
日本国内では9月25日に発売となったiPhone6s。3D Touchの搭載や指紋センサーの向上、そしてカメラ機能の大幅な進化とファンにとってはうれしい機能も多かったが、実際に使ってみるとさまざまな不具合が表面化していることがわかった。iOS9.0.1のリリースからわずか1週間後の10月1日に、こうした不具合を回収したiOS 9.0.2がリリースされているが、どこが改善され、またどこがいまだに直っていないのかを検証していこう。
発売直後から大きな話題になっていたのが、パソコンやiCloud上に保存されているバックアップからの復帰ができないことだ。iTunesを最新版にする(最新版のiTunesが入らない場合はパソコンのOSをアップデートする必要がある)ことでバックアップからの復帰が可能になり、これに伴ってバックアップデータの作成もスムーズに行えるようになった。しかし、いまだ一部のユーザーからはバックアップの作成ができないという声も上がっている。
この不具合の対処法で効果的なのがiCloudを使用せず、ケーブルを使用して、パソコンにバックアップを残す方法だ。前述のとおりiTunes(場合によってはパソコンのOSも)を最新版にしておけば、この方法でバックアップが確実に行えるようになっている。今後のアップデートでの改善が真っ先に望まれる不具合であるため、ユーザーはしっかりチェックしよう。
また、こちらも大きな話題となっていたのが、突然電源が落ちてしまうという不具合だ。海外のフォーラムが発端となって日本でも多くのガジェット系ニュースサイトで取り上げられているが、いまのところ原因も改善策も明らかになっていないようだ。
バックアップと同様に大きな不具合とされていたのが、時計表示が少しずつ進んでしまうというもの。現在は時計を持たず、スマホで時間を確認する人も多いために、こちらも発売直後から話題になった。
しかし時計が狂うのは一部の端末だけであったため、多くのユーザーの端末ではこの不具合が見られなかったようだ。これもiOS9.0.2で改善されているが、どうやら完璧とはいかなかったようで、さらに一部の端末では時計が逆に進んでしまったという意見も見られるようになってしまった。
こうした端末そのものの機能や標準アプリに関する機能だけでなく、一般に使用されているアプリでもいくつかの不具合が生じていることがわかった。もっとも深刻と思われるのは、SNSアプリである「LINE」の画面が暗転してしまうというもの。これもごく一部の端末だけに生じている不具合のようだが、こうした外部アプリの不具合は、アプリをリリースしている各メーカーの対応となるため、ユーザーが多くメジャーなアプリほど素早い対応がなされる傾向にある。
日常的に使用しているアプリの動作に違和感を感じたら、まずは最新のバージョンであるかを確認し、必要ならばメーカーへのフィードバックを行うようにしよう。こうしたフィードバックが多くなればなるほど改修バージョンのリリースが早まるため、面倒がらずに報告することが重要だ。
ここまで、iOSおよびiPhone6sに関するさまざまな不具合を紹介してきたが、これらの不具合が生じているのはごく一部の端末にすぎず、多くの端末では快適に使用できている。しかし、裏を返せば自分が使用している端末で不具合が生じてもおかしくない状況に置かれていることを忘れてはならない。
⇒【資料】はコチラ https://hbol.jp/?attachment_id=63228
こうした不具合を回避するのにもっとも効果的なのは、iOS、iTunes、パソコン、そして各アプリを常に最新のものにしておくこと。バージョンをアップデートしたことによって不具合が生じる場合ももちろんないわけではないが、古いバージョンを使い続けることよりもはるかにリスクが小さい。まずは自分の端末の状態をよく確認して、常に最新のものを入れておくこと。そしてその最新の状態のものを常にバックアップしておくこと。この2つのルールをしっかり守っておけば、仮に不具合が生じても素早くもとの状態に戻すことができ、トラブルを回避できるようになるはずだ。ただしブログなどで見かける出所の不確定なアップデート情報はむやみに信用しないことが重要だ。
<文・図版/佐藤 航>
【佐藤 航】
スマートフォン、パソコンなどの情報を中心に執筆しているテクニカルライター。雑誌・ムックを中心に活動している。
不具合その1:バックアップからの復帰ができない
不具合その2:突然シャットダウンする
不具合その3:時計がじわじわ進んでしまう
不具合その4:標準機能以外でも多数の不具合が散見される
問題がすべて解決されるまでにはまだまだ時間がかかる
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