Watch OSが初のメジャーアップデート! どこが変わってどう使いやすくなった?

AppleWatch01 Apple Watchがリリースされて半年が経過し、期待ほどではなかった……という声もチラホラと聞かれていたが、もしかしたら状況が変わるかもしれない。9月22日より配信が開始されたApple Watch用の最新OSとなる「watchOS 2」。おもな追加機能は下記の項目だ。 ・ネイティブアプリ対応 ・コンプリケーションのカスタマイズ ・タイムトラベル機能 ・FaceTimeオーディオ通話 ・Eメールの返信 ・ナイトスタンドモード ・アクティベーションロック

iPhoneなしでもアプリが動くようになった

AppleWatch02

App Storeには、少しずつ対応アプリが増え始めている

 もっとも大きな変更点は、Apple Watch単体で動作するネイティブアプリのサポートだろう。これまでアプリの実行にはiPhoneを経由する必要があったが、単体で動作することで、より高速で強力なアプリの開発が可能になった。いずれは、加速度センサー・心拍センサーなど各種センサー類や、マイク・スピーカーとの連携もできるようになるとのことだ。ちなみに現状のwatchOS 2対応のアプリは、iPhoneのApple Watchアプリを起動し、「watchOS 2対応おすすめAppとゲーム」のバナーを開くと確認することができる。数は徐々に増えているものの、全ジャンル合わせて30本(9月29日現在)とまだまだ少ない。今後より多くのアプリが登場してくると、Apple Watch活用の幅も広がりそうだ。

文字盤のカスタマイズが豊富になった

 文字盤のカスタマイズの幅も、watchOS 2でより広がっている。ひとつは文字盤に表示できる情報(コンプリケーション)が拡張された点。これまではAppleの用意する情報のみが選択できたが、watchOS 2では他社製アプリのコンプリケーション作成もサポートされ、サードパーティアプリの情報を表示させることも可能に。対応アプリがWatchにインストールされていると、文字盤の設定時に選択することができる。実際に試してみたところ、エキサイトニュースアプリを設定することができた。なおiPhoneのApple Watchアプリのマイウォッチ画面で「コンプリケーション」を選択すると、コンプリケーション対応のサードパーティアプリが確認できる。追加したアプリがコンプリケーションに対応しているとここに追加され、不要な場合は「含めない」に移動させると設定項目として表示されなくなる。  新たな文字盤としては、「写真」と「タイムラプス」が追加されている。「タイムラプス」では、ニューヨーク、ロンドンなど6都市の象徴的な風景写真が表示され、時刻に合わせて変化する。「写真」はユーザーがiPhoneで撮影した写真を選んで設定できるほか、iPhone 6s/6s Plusの「Live Photos」をサポートし、手首をあげるたびにさまざまな写真に変化するようになる。ただし、タイムラプスおよび写真を設定時には表示できるコンプリケーションが少なく、日付と時刻のみとなりもの足りない。もう少しカスタマイズの幅が広がればよいとは思う。 Apple Watch05 とはいえ、アップデートを行うたびに利用できる文字盤が追加される点も、Apple Watchならではの楽しみと言えるだろう。
Apple Watch06

時刻に合わせて変化する「タイムラプス」の写真

スケジュールやメールの管理がより便利になった

AppleWatch07 スケジュールの確認などに便利に使えるのがタイムトラベル機能だ。対応する文字盤を設定する際に、デジタルクラウンを回すと、時刻とともに文字盤が変化し、過去や未来の情報に文字盤が変化する。文字盤にカレンダーを表示している場合、数時間後の予定をサクッと確認できるのが便利だ。なおタイムトラベルで確認できるのは前後30〜40時間程度となっている。
AppleWatch08

短いメッセージなら、難なく送ることができる

 もうひとつ、使い勝手に直結するもので、Eメールへの返信機能が追加された点も大きい。これまでメッセージアプリを使っての返信には対応していたが、Eメールアプリでは内容の確認にとどまり、返信はiPhoneで行う必要があった。定型文や音声入力による簡単な返信であればApple Watch、長文はiPhone、という風に使い分けられるようになったのは嬉しい改善点だ。  一部のマニア向けとなってしまっていたウェアラブルというジャンルに日の目をあてたApple Watchだが、先行するAndroid搭載の時計型デバイスに比べて、できることが少ないという印象があった。今回のネイティブアプリ対応についても、Android Wearユーザーにとってみれば普通のこと。ただ、できることを小出しに増やし、先行して購入したユーザーを飽きさせない仕掛けとして考えれば、今回のアップデートは歓迎できるものだろう。<文・図版/小枝祐基 Twitter:@k_eda【小枝祐基】 スマートフォンやPC関連の取材・記事執筆を精力的に行うライター。白物家電やデジタルガジェットなどのレビューもこなす。共著に『docomo iPhone 6 Plus 完全活用マニュアル(ソシム)』『Pepper スタートブック(SBクリエイティブ)』など。
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