安全と安心を求めて来日する中国人医療ツアラー
中国からのニーズが増える反面立ち遅れる日本の医療現場」
<取材・文・撮影/我妻伊都(Twitter ID:@ito_wagatsuma>
中国人が海外へ盛んに医療ツーリズムする背景には、中国医療に対する根強い不信があると仙台と中国で活動する中国人医療コンサルタントは語る。
「中国の大病院ではCTやMRIなどの高度医療設備は、日本と同レベルになりつつあります。ですが、その機械がはじき出した結果や数値を判断する医者が誤診やミスを犯すため信用されていません。ハードは一流ですが、ソフトが三流なのです。また、中国人は、中国の医者や病院は金儲けに走っており、拝金主義だと考える人も少なくありません。実際、風邪を引いて病院へ行くと点滴を勧めてきます。理由は、点滴のほうが飲み薬より利益が大きいからです」
この夏、宮城へ医療ツーリズムしてきたという50代の建設会社経営者へ何を期待して宮城へ行ったのか尋ねてみた。
「日本は観光や食事も素晴らしいので観光メインですが、病院で期待していたのは、しっかとした説明や安心できる対応などサービス面です。同じ高いお金を払うなら自分の命にかかわることだし、少しでもいいサービスを選択するのは当然です」
現状では、医療ツーリズムを受け入れているのは長崎や宮城など地方病院が多い。しかし、大阪など関西でも着実に増えつつある。
「橋下さんが大阪府知事(現大阪市長)になってから保守的な医師会の影響力が低下したため、医療ツーリズムを積極的に受け入れようとする病院が増えてきています。大阪の病院は大腸や胃がんなどがん治療の経験豊富な医者や病院が多く、希望者に勧めています」(前出の中国人医療コンサルタント)
※次回「
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