「イエレン・ショック」が始まっているのか?

吉田 恒氏

吉田 恒氏

 FRB議長交代から間もなく株暴落が起こるということは比較的よく知られたアノマリーだ。では、最近にかけての米株急落は「イエレン・ショック」が始まっているということだろうか。  このアノマリーで最もよく知られているのは1987年7月にグリーンスパン氏がFRB議長に就任した直後の10月、NY発世界同時株暴落、「ブラックマンデー」が起こった例だろう。  その後任、バーナンキ氏がFRB議長に就任したのは2006年2月だったが、警戒された「バーナンキ・ショック」はしばらく無事に過ぎた。むしろ新議長誕生後、NYダウは約3割の一段高となった。  しかし、就任から約1年半過ぎたところでNYダウは天井を打つと、その後はリーマン・ショックから「100年に一度の危機」とされるなかで、最大5割もの大暴落に向かった。  こういった経緯もあったため、イエレンFRB議長誕生の際も、株の暴落、「イエレン・ショック」への警戒はあったが、それを尻目にNYダウは約1年半でやはり3割もの一段高となった。ただ、7月以降、そんなNYダウも一段安の動きになっている。 ⇒【資料】はコチラ https://hbol.jp/?attachment_id=60281
イエレン・ショック

<資料>

 これはやはりアノマリー通りの「イエレン・ショック」が始まっているということなのか。9月FOMCでは、いよいよゼロ金利解除の利上げが行われるかが注目されているが、利上げの有無とは別に株安が一段と広がるようなら、「イエレン・ショック」はいよいよ一般的に思い出されるようになるだろう。(了) ◆9月のFXアカデミア関連の会場及びWEBセミナーのご案内 9月16日= M2JFXアカデミア予測編第一部 9月18日= WEBセミナー「マーケット先読みLive!」 9月26日= M2JFXアカデミア1Day http://www.m2j.co.jp/seminar/ 【吉田 恒氏】 1985年、立教大学文学部卒業後、投資情報会社の代表取締役社長などを経て、2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケットエディターズ」の日本代表に就任。国際金融アナリストとして、執筆・講演などを精力的に行っている。また「M2JFXアカデミア」の学長も務めている。 2000年ITバブル崩壊、2002年の円急落、2007年円安バブル崩壊など大相場予測をことごとく的中させ話題に。「わかりやすい、役立つ」として、高い顧客支持を有する。 著書に『FX7つの成功法則』(ダイヤモンド社)など ●FXマーケットスクウェア http://www.m2j.co.jp/landing/fx_market_square/ ●ツイッター http://mobile.twitter.com/yoshida_hisashi ●FXの学校「アカデミア」 https://www.m2j.co.jp/mp/my_fxacademia/
バナー 日本を壊した安倍政権
新着記事

ハーバービジネスオンライン編集部からのお知らせ

政治・経済

コロナ禍でむしろ沁みる「全員悪人」の祭典。映画『ジェントルメン』の魅力

カルチャー・スポーツ

頻発する「検索汚染」とキーワードによる検索の限界

社会

ロンドン再封鎖16週目。最終回・英国社会は「新たな段階」に。<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

国際

仮想通貨は“仮想”な存在なのか? 拡大する現実世界への影響

政治・経済

漫画『進撃の巨人』で政治のエッセンスを。 良質なエンターテイメントは「政治離れ」の処方箋

カルチャー・スポーツ

上司の「応援」なんて部下には響かない!? 今すぐ職場に導入するべきモチベーションアップの方法

社会

64bitへのWindowsの流れ。そして、32bit版Windowsの終焉

社会

再び訪れる「就職氷河期」。縁故優遇政権を終わらせるのは今

政治・経済

微表情研究の世界的権威に聞いた、AI表情分析技術の展望

社会

PDFの生みの親、チャールズ・ゲシキ氏死去。その技術と歴史を振り返る

社会

新年度で登場した「どうしてもソリが合わない同僚」と付き合う方法

社会

マンガでわかる「ウイルスの変異」ってなに?

社会

アンソニー・ホプキンスのオスカー受賞は「番狂わせ」なんかじゃない! 映画『ファーザー』のここが凄い

カルチャー・スポーツ

ネットで話題の「陰謀論チャート」を徹底解説&日本語訳してみた

社会

ロンドン再封鎖15週目。肥満やペットに現れ出したニューノーマル社会の歪み<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

社会

「ケーキの出前」に「高級ブランドのサブスク」も――コロナ禍のなか「進化」する百貨店

政治・経済

「高度外国人材」という言葉に潜む欺瞞と、日本が搾取し依存する圧倒的多数の外国人労働者の実像とは?

社会