30万円で自作できるキャンピングカー「軽トラキャンパー」とは!?
キャンピングカーは軽自動車ベースでも200万円以上するが、軽トラックの荷台に居住スペースを自作すれば格安で手に入る!?
「軽トラキャンパー」の自作にチャレンジしている人に話を聞いた。
軽トラキャンパーを自作するのは、長野県池田町で「安曇野パーマカルチャー塾」を主宰する臼井健二さんだ。臼井さんは同地で、農作業を基本に自給自足的に暮らす「パーマカルチャー」を実践。ワークショップを通じて、その生活方法や考え方などを伝授している。
実は軽トラキャンパー作りもワークショップの建築実習として実施。現在20人の受講生とともに、荷台への載せ下ろしが可能な「スライドアウト」形式のシェル(居住スペース)4台を製作中という。
「市販されている軽トラベースのキャンピングカーは、高価なだけに良く出来ています。けれどもシェルが固定されているものはキャンピングカーとしてしか使えない。必要に応じてシェルを荷台から下ろせば、軽トラを荷運びと居住の両方に使えるし、自作で費用を抑えられるのがメリットです」と臼井さん。
軽トラの最大積載量は350キログラム。シェルは、荷台高さを含めた全高が2.5メートル、全長は車両長×110%以内、幅は車幅を超えない条件で作る。荷台から下ろすときは、クレーン車のように「アウトリガー」(支柱)を横に伸ばしてジャッキアップ。アウトリガーも単管パイプを溶接して自作する。
現在は木で骨組みを組む所まで出来上がっており、今後厚さ4ミリのベニア板を外側に貼って塗装し、さらに断熱材を内張りするなどして完成させる。電気はソーラーパネルと蓄電池で自給。トイレは備え付けないが、旅先の施設で済ませるなどすればいい、と割り切った。ちなみに臼井さんは、過去に生ゴミコンポスト装置を改造した持ち運び型トイレを自作している。
そもそもパーマカルチャーでなぜ軽トラキャンパーなのか。臼井さんはこう説明する。
「今、小さな家に住む『タイニーハウス』が世界的に話題となっていますが、この軽トラキャンパーも考え方は同じ。つまり住まいを究極的にシンプルにするということです。家が大きいとあれが欲しい、これも欲しいというふうに消費文明に翻弄され、やがてモノに囲まれますが、家を小さくすると簡素なライフスタイルを楽しめると思います」
中古の軽トラは安い物で10万円前後からある。軽トラキャンパーの材料はすべてホームセンターで手に入り、費用は20万~30万円とのこと。仮に総費用を50万円としても、市販の軽自動車キャンピングカーの4分の1の価格で手に入る計算だ。しかも自分の家を自作するという貴重な体験つき。夢の「早期リタイア生活」を安価に実現できるかもしれない。
<取材・文/斉藤円華>
軽トラの使い勝手はそのままに
小さな家で生活もシンプルに
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