中国株指数で荒稼ぎする極意
2015.08.31
中国の株式市場が荒れまくっている。1年で2.5倍に上昇していた上海総合株価指数が、7月前半にかけて3週間ほどで30%も急落。なおも高値から20%以上安い水準で乱高下しているのだ。荒れ狂う中国相場で稼ぐ方法はないのか? 中国株ならではの錬金術を探った
6月半ばから7月前半にかけて3週間あまりで30%以上も下落した上海総合株価指数。「上海ショック」と大騒ぎになっただけに、ご記憶の人も多いだろう。中国当局は今年に入って3度の利下げを実施し、暴落後には証券会社などに“公的資金”を注入して、株価を買い支えるよう指示。空売りの取り締まりを強化するなどして、なんとか株価の下落に歯止めをかけたのだ。が、こうした暴落は事前に予期できたものだったという。数々の大相場を的中させてきた金融アナリストの陳満咲杜氏が話す。
「暴落の原因は異常なまでの過熱感。個人投資家は“場外配資”と呼ばれる融資会社を使って、手持ち資金の8倍にレバレッジを利かせて、株を買い続けました。株をやるために会社をたたんで資産を信用取引につぎ込んだ、という人もいました。その結果、上海指数は1年で2.5倍に上昇。個別で見ると北京暴風科技という銘柄は、36日連続ストップ高を記録し、上場からたった2か月で42倍に上昇したんです。オンライン動画プレーヤーを開発している企業ですが、正直、際立った技術を持っているわけでもない。そんな会社が連続ストップ高を記録していたのだから、バブル以外の何物でもない。それで、私は上昇を続けていた上海指数が4%近く急落した6月18日に『ただの下げではない。暴落も近い』と中国人向けのSNSに書き込んだんです」
ただし、予期できても、多くの中国人は耳を貸さなかったとか。
「実は、普通のOLである私の奥さんまで『株をやりたい!』と言い出して、2か月で100万円以上儲けていた。南北の鉄道大手が合併してできた中国中車を買ったりしていたのですが、結局、この銘柄も6月後半にかけて暴落したので、利益のほとんどを吐き出してしまったようです(苦笑)」
財テクバブルに沸いた日本を思わせる光景が、中国にも広がっていたわけだ。が、この暴落を目ざとく収益機会に変えた猛者もいる。
「FXに飽きて、ちょうど4月から中国株に乗り換えていたんです。6、7月はおいしかった!」
と満面の笑みを浮かべるのは、グラビアアイドルとしても活躍した専業トレーダーの小林ちま氏だ。月末に利益は出金し、毎月150万円で取引している。
「日足を見ていたら6月にサポートラインを割ってきていました。急落するかなと思って普段より強めに売っていたので、暴落のクライマックスだった7月8日には350万円くらい儲かりました!」
見事な手腕だが、中国株で気軽にデイトレできる便利な商品はあるのだろうか。
「私が使っているのはCFD(差金決済取引)。FXと同じ仕組みなのでわかりやすいですし、『上海A50』という株価指数がGMOクリック証券だと10倍のレバレッジをかけて取引できます」(ちま氏)
中国国内の投資家を主な対象としたのが上海A株。その中の代表的な50社を対象にした株価指数が、上海50A株指数だ。
「上海市場の指数は値動きがわかりやすい。簡単なところでいえば、2日間上げたら2日間下げるという相場を繰り返しているんです。だから、月に30万~50万円程度を稼ぐのは難しくない。暴落のときは翌日に持ち越したりしましたが基本はデイトレード。狙うのは寄り付き直後と引け間際の1時間です」(同)
中国と日本の時差は1時間。上海市場の開場時間も日本と1時間ズラして考えればOK。ちま氏が利用するGMOクリック証券のCFDだと10時15分から16時25分が上海A50の取引時間となる。
「まず朝は『窓埋めの法則』。上海市場は窓が開きやすいし埋めやすいので窓が開いていたら埋めに行く動きができるかどうかがポイント。埋めにいくようなら、ついていきます」(同)
前日終値と当日始値の乖離が「窓」。図①では前日終値の1万1160ポイントに対し、始値が1万1260ポイント。窓が開いて始まったが、その後の2時間ほどで前日終値付近まで下落し、窓を埋めている。
⇒【資料】はコチラ https://hbol.jp/?attachment_id=57980
「あとは引け間際の動きを利用した『15時半の法則』。その日のトレンドが上昇なら引け間際には手仕舞いの売りが出やすい。その日が下落トレンドだったら引け間際に決済の買いが出て上がりやすい。15時半すぎに、こうした動きが出たら追随します」(同)
⇒【資料】はコチラ https://hbol.jp/?attachment_id=57981
デイトレに即効性のありそうな法則だ。しかし、7月のような暴落を狙って大きく稼げるチャンスは再びあるのだろうか。
「可能性は非常に高い。中国政府は今、中国版『PKO』(株価支援策)で維持していますが、一方で人民元の切り下げも行っています。中国には膨大な対外債務があるので、返済負担の増加を招いて資金繰りを悪化させかねない。そうなるといつまでもPKOを続けられないんです。いまだ3分の2ぐらいの売り物が消化できていないと言われているので、まだまだ売り圧力も強い。なおも全体のPERは70倍で超割高ですから、チャート的には三角持ち合いから下抜けして、もう一段下げる可能性が高いでしょう」(陳氏)
ちま氏直伝の2つの法則でデイトレしつつ、暴落が来たら爆売りで大儲けを狙うのがよさそうだ。
【陳満咲杜氏】
金融アナリスト。’92年に中国から留学、香港や米国の金融機関などでトレーダーとして研鑽し独立。相場予想に定評あり。『二刀流FX』(扶桑社刊)ほか著書多数
【小林ちま氏】
専業トレーダー。グラビアアイドル、OLなどを経て現在は投資で生計を立てる。株、FXのほか中国株CFDにも精通。http://profile.ameba.jp/kyochima/
取材・文/高城泰(ミドルマン) 図版/ミューズグラフィック
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