ウォール街で「Bankers Workout」と言われる短時間運動法とは?

photo by PredragKezic(CC0 Public Domain)

 多忙なビジネスマンの中でも世界で1、2の忙しさであろう存在、ウォール街のビジネスマンに「Banker Workout」と言われているエクササイズがある。  それが、アスリートやトレーニング愛好者のみならず、エクササイズに関心が高い女性にも話題になっている「20秒運動+10秒休息を8セット=4分でカラダが変わる」と話題のタバタ式トレーニング、あるいはタバタプロトコルという運動だ。  トレーニングに詳しい人ならおわかりだが、タバタ式トレーニングは短時間で終わる内容ながら、かなりハードなトレーニングだ。しかも有酸素性能力と無酸素性能力を向上させ、運動機能を効率的にアップさせるというアスリート向けの効果が期待できるトレーニングである。  それがなぜ多忙なウォール街のビジネスマンが注目したのだろうか?

高強度・短時間・間欠的運動が糖尿病予防にも効く理由

「これまで、低・中強度の有酸素運動を長時間やることが『健康増進にいい』と推奨されてきました。その理由は、そうした運動が、糖尿病の予防や治療に関連する「GLUT4」というタンパク質を増加させる効果があり、なおかつ体力が低い人にとっても安全であるためでした」と語るのはタバタ式トレーニングを生み出した立命館大学教授の田畑泉氏。  しかし近年、この「GLUT4」が、高強度のインターバルトレーニングを短時間やっても増加することがわかってきたのだという。 「『GLUT4』などのタンパク質がなぜ高強度短時間な間欠的運動で増加するのか? その鍵となるのが『PGC-1α』というタンパク質です。PGC-1αは、持久力と関連の深いミトコンドリアの酵素も活性化させます。そのため、PGC-1αが増えると持久力も強くなるし糖尿病の予防や治療にもなるわけです。このマスターキーとも言えるPGC-1αを増加させるのに、短時間でも強度の高い間欠的運動が有効なのです」

週3回でも運動不足が改善されていく

立命館大学教授・田畑泉氏

 さらに、特筆すべきはタバタ式のような強度の高い間欠的運動でPGC-1αを増やすと、少なくとも24時間は高い数値を保てるのである。 「これにより、週3回(2日に1回)のペースでタバタ式トレーニングを行えば、PGC-1αが高い状態を保ち、『GLUT4』が増加していくことが判明しました。また、タバタ式は基本的には8セット4分を行いますが、PGC-1αやGLUT4などについては3セット程度でもある程度増加するのです。アスリートがタバタ式でトレーニングを行う場合、目的が有酸素性能力や無酸素性能力を向上させパフォーマンスを上げることにあるので3セットでは意味がありませんが、軽度の糖尿病患者の方や運動不足が激しい人には3セットを週3回から始めるだけでも効果はあるのです」  タバタ式に必要な運動は相当の強度が必要だが、「20秒の高強度運動+10秒休息を3セット、それを週3回」ならば、「時間がない」が口癖で運動不足なビジネスマンでも始めることができるというもの。  エネルギッシュなウォール街のビジネスマンならアスリート並みに8セットの通常版タバタ式トレーニングも難なくこなしそうだが、そこまでの自信がない人も諦める必要はないわけだ。  これを機会に、まずはそこから始めてみてはいかがだろうか? ※強度が高いトレーニングなので、必ずウォーミングアップとクールダウンをすること。また、高血圧の人や心臓疾患のある方は医師にまず相談してから実践してください。 <取材・文/HBO取材班>
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