従来のWindowsと最新機能の融合によって使用感がグンとアップしたWindows10だが、使っていくうちに “ちょっと不便”といった点に直面することもあるだろう。そこでここでは、より快適に使いこなすための“脱初期設定”と“不便を解決”するためのテクニックを紹介しよう。 　Windows7や8.1からWindows10にアップデートを行った場合、多くのシステム設定は引き継がれるものの、一部再設定が必要になることがある。また、複数台のパソコンを使っている場合、それぞれのパソコンごとにシステムを設定していくのは面倒な作業となる。 　とくに使い勝手に直結するスタート画面のレイアウトやテーマ、言語の設定やブラウザの履歴やお気に入りといった設定は、環境ごとに行うのは面倒なので一本化しておきたいところだ。 　そんな場合に利用すると便利なのが「Microsoftアカウント」だ。無料で取得することができるこのクラウドサービスにサインインしておけば、デスクトップの表示設定やブラウザ履歴といった一連の設定を同期することが可能。Office365などWindowsストアアプリの購入情報や環境設定も同期できる。Windowsアップグレード時の設定はもちろん、システム再セットアップ時の復旧操作もスムーズに行うことができるので是非活用してみよう。 【Microsoftアカウントを作成・設定を同期する】 ※URL：http://www.microsoft.com/ja-jp/msaccount/default.aspx 　Windows10には、手持ちのマルチメディアファイルやDVDディスクの再生が行えるマイクロソフト公式のプレイヤーソフト「Windows Media Center」が搭載されておらず、Windows7のHome Premium／Professional／UltimateとWindows 8.1＋Media Center Pack／Pro Packからのアップデート者を対象にDVD再生機能を持つ「Windows DVDプレイヤー」を提供するといった限定的なサポートが行われているのみ。また、標準搭載の「Windows Media Player」も別途コーデックを導入しなければDVD再生が行えないため、標準設定のWindows10では、DVDディスクを再生することができないのだ。 　もちろんコーデックを導入すれば「Windows Media Player」でもDVD再生を行うことができるが、個別にコーデックを導入するのは手間が掛かるうえ敷居もやや高くなる。 　そんな場合に役立つのがDVD再生にも対応したフリーソフト「VLCPlayer」だ。DVDディスクの直接再生に加え、主要な動画形式の再生をカバーしているプレイヤーソフトとなっているため、コレ一本入れておけば、マルチメディア再生で困ることは無いだろう。 【VLC media player】 ※URL：http://www.videolan.org/vlc/ 　Windows10に標準搭載される「メール」アプリは、OSとの親和性が非常に高くシンプルな使い勝手がウリとなっている。しかし、受信したメールの振り分けやサーバに残ったメールの処理やセキュリティ関連の詳細設定が搭載されていないため、ビジネスシーンはもちろん、上級者には物足りなさが否めない。 　加えて、他のメールソフトからアドレス帳やメールをインポートするための機能も搭載されていないため、Windows10導入時にわざわざ乗り換えるメリットも見いだせないのが現状だ。 　もし、多彩な機能や他の環境とのデータ互換を求めるなら、全世界のユーザーから支持を集めるメールソフト「Thunderbird」を利用するのがオススメだ。従来のWindowsに標準搭載されるメールソフトはもちろん、主要なメールソフトからデータを容易に移行することができるほか、アドオンを利用することで機能を自由自在に拡張することも可能。利用頻度や用途によって自分好みの環境を整えられるのが大きな魅力といえよう。 【Thunderbird】 ※URL：http://www.mozilla.jp/thunderbird/ 　パソコンの利用頻度や用途はユーザーによって千差万別。しかし、ビジネスを目的に利用するユーザーには、Windows10は多少、使いづらい点がある。ここでは、主なカスタマイズを紹介したが、用途に合わせた最適な設定や使い勝手を向上させてくれるソフトを見つけ出し、快適な環境を作り出してみてほしい。＜文・写真／古作光徳＞ 【古作光徳】 パソコン関連誌の編集部を経て、2006年にライターとして独立。主にパソコンやスマホ、家電関連誌などを中心に活動中。近年は車やバイク、将棋など、趣味関連誌の執筆や編集にも携わっている。