偽札が増える中、「Y」で始まるユーロ紙幣真札は今後プレミアムの可能性も!?

 景気が悪くなると偽札が増えるというが、「ラ・バンガルディア」紙の報道によれば、<ユーロ圏で10,000人につき平均25枚の割合で偽札が流通している>という。
ユーロ紙幣

photo by geralt (CC0 PublicDomain)

 ユーロ圏で今年の上半期に押収された偽札ユーロ紙幣は454,000枚だ。昨年下半期は507,000枚で、同年上半期に比べ53%の増加になる。2013年は1年間で67万枚、2012年は53万1000枚とそれぞれ偽札が摘発された。  ユーロのリーダー国であるドイツでさえもドイツ連邦銀行の報告によれば今年上半期だけで50,500枚の偽札が押収されており、それは昨年同半期の2倍の量にも及ぶという。「リベラ・メルカド」紙によれば、<50ユーロの偽札が一番多く48.3%を占め、20ユーロの偽札が40%>とも伝えている。人口8,000万人のドイツは生活レベルが高い故に50ユーロ紙幣を使う頻度が多いということで、必然的にその需要を悪用して20ユーロよりも50ユーロの偽札を多く導入するということだ。<EU圏で50 ユーロと20ユーロの紙幣が偽札の86%を占めている>という。  200ユーロや500ユーロ紙幣の偽札もあるが、それは非常に僅かだ。何故なら、日々の売買市場で使う回数が非常に少ない故に、偽札だと見破られる可能性も高いからだ。一方の5ユーロや10ユーロは価値が低いので偽札を刷るだけの意味は薄いという訳である。そこで最終的に効率が良いのが20ユーロと50ユーロということになる。 <偽札の印刷の大半はイタリアの南部地方で刷られていると推察されている。マフィアによる麻薬と偽札の配給が関連していると関係当局は見ている><ドイツ連邦銀行の専門家は倍率1500のマイクロスコープで画像を引き出して検査している>という。その一方で、2002年にユーロが市場に導入されて、現在まで<175億枚の本物の紙幣が市場に流通している>そうだ。(「ラ・バンガルディア紙」)。  そんな偽札が横行するユーロ紙幣だが、真札では「ギリシャで印刷される紙幣」は今後プレミアムがつくかもしれないから今のうちに一枚くらい入手しておいてもいいかもしれない。何故なら、ギリシャはいずれユーロ圏から離脱する可能性があるからだ。ギリシャで印刷された紙幣だと見分るけには、紙幣の裏側の右上にイニシアルと数字がプリントされている。イニシャルが「Y」で始まる紙幣がギリシャで印刷されたものである。いやもちろん、離脱しない可能性もあるし、離脱したとしてもプレミアムがつくかはお約束できないが……。 <取材・文/白石和幸> しらいしかずゆき●スペイン在住の貿易コンサルタント。1973年にスペイン・バレンシアに留学以来、長くスペインで会社経営する生活。バレンシアには領事館がないため、緊急時などはバルセロナの日本総領事館の代理業務もこなしていた。
しらいしかずゆき●スペイン在住の貿易コンサルタント。1973年にスペイン・バレンシアに留学以来、長くスペインで会社経営から現在は貿易コンサルタントに転身
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