安保法制強行採決をした安倍総理。原動力は「恐怖心」か
― 原田まりるの「エニアグラムで見るニュース」第6回 ―
タイプ6は普段は温厚で人あたりがよく、組織や権威に対して忠実であると言われているが、恐怖心や不安が強くなると、攻撃的で、感情的、組織や権威に対して反抗的になるという二面性を持ち合わせている。
普段の、人あたりがよく組織や権威に忠実なパターンを「恐怖症型」。恐怖心が強くなるあまり、攻撃的で感情的になるパターンを「恐怖対抗型」という。
タイプ6は「怒り」によって攻撃的になるというよりも「恐怖心」から攻撃的になるのである。
恐怖対抗型の面が出ているタイプ6は、自分をサポートしてくれない権威、組織、上司に対し反抗的な態度をとったり(例:あなたがやれといったので、その通りにしたらこんな結果になってしました!といった自分の正当性を主張しながらの反論)や、世間の風潮に対してカウンターを仕掛けるといった面が出てくる。
普段はおとなしく温厚なタイプ6だが、彼らが重要とする、「安全・規律が自分を守ってくれない」「安心・安全が脅かされるのではないか」という恐怖心が強くなった場合には、穏やかさが一転し、恐怖へと立ち向かおうとするのだ。周囲や職場にこのようなタイプがいた場合は、彼らの恐怖心や、不安を軽減すべく「いつもきっちり頑張っているね。なにかサポートできることがあったら言ってね」と率先してサポートを申し出てみるのがいいだろう。
安倍首相が安保法案可決へ向けて急ぐ背景にも、何かしらへの恐怖心が強くあるのかもしれない。
<文/原田まりる Twitter ID:@HaraDA_MariRU>
85年生まれ。京都市出身。作家・哲学書ナビゲーター。高校時代より哲学書からさまざまな学びを得てきた。著書は、『私の体を鞭打つ言葉』(サンマーク出版)。元レースクイーン。男装ユニット「風男塾」の元メンバー。哲学、漫画、性格類型論(エニアグラム)についての執筆・講演を行う。ホームページ(https://haradamariru.amebaownd.com/)
安全保障法案を採決した後の、内閣支持率は6月の47.7%から9.7%下がり37.7%となったという世論調査を共同通信社が発表した。「安保法案について国民の理解が進んでいない」と言われながらも強引に採決をおこなったことが波紋を呼んでおり「独善・独裁」といった声も野党からあがっている。
多くの法学者から「違憲」と言われた安保法制を強行採決したことからすると意外に思う人もいるかもしれないが、エニアグラムで考えると、安倍首相は「安全と規律を重んじるタイプ6」の可能性が高いのではないかと言われている。
タイプ6は、組織や仲間に忠実でそうした中の規範を守る「堅実家」である一方で、周りの目を気にしやすく、心配性で、問題に直面した際に、感情的な反応をしやすいとされているという矛盾を孕んだタイプだ。
安倍首相がタイプ6というのはあくまで仮説であるが、国会答弁で詰め寄られた時にイライラした態度がにじみ出るところ、世論調査をとても気にするところ、2007年に退陣した際のプレッシャーの抱え込みやすさなどを総合すると、タイプ6である可能性は高い。
普段は温厚だが、恐怖を感じると必要以上に攻撃的になるタイプ6
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