photo by AlexVan( CC0 Public Domain)
もうすぐ夏本番! 気象庁の発表によれば、エルニーニョ現象の影響で、今年は例年以上に不安定な天気になるとか。ジメジメ……ムシムシ……と寝苦しい夜は何度も寝返りを繰り返して、ますます寝られない……なんて寝苦しさの代名詞のように思われがちの「寝返り」。だが、「寝返りは重要な体温調整機能なので、上手に寝返りを打つことが快適な睡眠にとって重要なんです」と語るのは、睡眠に関する著書を多数持つ、“睡眠のプロ”菅原洋平氏。
菅原「寝返りを打つと、シーツと体のあいだに空間が出でき、空気が循環するんです。人は寝ている間に20回以上、寝返りを打っています。そうしないと、熱が溜まって寝つきが悪くなったり、寝汗をすごくかいたりしてしまうのです。
そして、上手に寝返りを打つために大切なのは“自分の筋肉量(寝返り能力)に合った硬さのマットレス”を選ぶことです。
女性とか筋肉量の少ない方は、高反発の硬いマットレスがオススメです。極端に言えば、せんべい布団みたいなものです。逆に、男性など筋肉量の多い方は、海外でよく使われているような、ふかふかな低反発のベッドでも大丈夫です。
菅原洋平先生
よくあるのは、ご夫婦で筋肉量が違うのに、同じベッドで寝てしまうケース。たいていは旦那さんに合わせてふかふかのベッドで寝ているので、旦那さんはいいけど、奥さんが眠れなくなる。それで、奥さんが実家に帰って、畳の上の布団で寝たら、よく寝られたという話がある。それは筋肉量の差によるものなんです。
シーツも、かいた汗を速やかに奪い取って乾く高吸収型のものがよいでしょう。寝ている間の放熱機能を助けてくれるので。就寝1時間くらい前に、一度、タオルケットやマクラを裏返しにし、エアコンなどにあてて冷たくしておくのもよいでしょう。
枕は、仰向けに真っすぐ寝たときに、あごが上に行くでもなく下に行くでもなく、まっすぐ前を向けるものがオススメ。枕の端と自分の肩のあいだに隙間が空いていない状態を作れば、わりと快適に眠れます。今の枕が合わないという人は、バスタオルを丸太みたくして隙間に挟めば、それで充分な場合もあります」
まずは自分に合った寝具を選び、蒸し暑い夏でもしっかり睡眠時間を確保しよう。
<取材・文/HBO編集部 photo by AlexVan ( CC0 Public Domain)>