農地を利用したユニークな再生エネルギー事業の仕組みとは?

原発事故を受けて、全国で地域主体の電力会社を立ち上げる動きが盛んだ。「再生エネルギーファンド」は、そうしたプロジェクトへの投資を募り、配当をつけて戻す仕組み。リスクが少なく、銀行に預けるよりもずっとお得で、お金の使い道を自分で決められる。密かに注目を集める「再エネファンド」の最前線をリポートする。

市民エネルギーちば/千葉県千葉市

 農地の上にソーラーパネルを並べ、収穫物と売電収入の両方を得る「ソーラーシェアリング」という取り組みがある。ソーラーシェアリングの発祥地である千葉県では「市民エネルギーちば」という団体がソーラーパネルの購入を呼びかけている。  パネルは1枚2万5000円で購入、毎年賃借料が支払われる。賃借料は10年間で2万円となり、10年後には主催者が1万円でパネルを買い取る契約になっている。つまり、パネルオーナーは1枚あたり10年で3万円の収入になり、5000円が増える。金額は小さいが、20枚購入すれば50万円の初期投資が10年で60万円に増える。  パネルには出力保証があり、万一の場合の損害保険にも加入しているので、台風などで破損しても安心だ。耕作放棄地を減少させ、農地を活かすこともできる。市民エネルギーちばが関わるソーラーシェアリング農場は、進行中を含めて16か所。今後も各地に展開していく予定だ。 パネルオーナーに支払われる賃料取材・文・撮影/高橋真樹 写真/北海道グリーンファンド おひさま進歩エネルギー 会津電力 上田市民エネルギー ― [再生エネルギーファンド]のススメ ―
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