手柄自慢に人脈アピール。くだらない「マウンティング」を仕掛けてくる相手への対処法は?

 何かにつけて他人より優位に立ちたがる人がいる。手柄自慢に、人脈アピール。ところ構わず主導権を握りたがり、思い通りにならないと不機嫌になる。そんな幼稚な“マウンティング”に遭遇したら、どう対処すべきか。

写真はイメージです。

 今回は江戸時代の就職事情を描いた時代小説『立身いたしたく候(そうろう)』(梶ようこ著・講談社)から職場における“マウンティング”への対処法を探りたい。本作では瀬戸物屋の五男坊が武家の婿養子に入り、“就職活動”に右往左往するという物語だ。

「三つの『きく』を覚えておくとよい」

 主人公・駿平はあるとき、“就職指南”を自称する中年侍・黒田と出会う。黒田曰く、職探しに欠かせないのは三つの「きく」――「人の話を聞く」「気がきく」「機転がきく」だという。  これらはマウンティング対策にも役立つ。傾聴の姿勢は相手の自尊心を満たす。その結果、自慢話が短くてすむ効果も期待できそうだ。  では、理性が飛びそうなほど腹立たしいときはどうするか。

「苦しい気持ちを伝えるべきよ。それでもわかってくれなかったら怒ればいいのよ」

 本書に登場する蕎麦屋の・娘おれんは上司に思いの丈をぶつけるよう、助言する。不満は溜め込むほど、暴発しやすくなる。にっちもさっちもいかなくなる前に上司や周囲と共同戦線を張る策を講じよう。

「くすぐって、いい気にさせてやるのだよ」

 一方、前述の中年侍・黒田はあえて相手を持ち上げ、調子づかせるのも兵法のうちだと語る。「己よりも下であれば何をしても怒らぬ」という性質をうまく利用し、体よくあしらうというわけだ。  マウンティング行為の多くは、コンプレックスが根底にある。ヘタにつつくと妄執を生みかねない。穏やかに接しつつ、そっと距離を遠ざけるのもスキルのうち。君子危うきに近寄らず、なのだ。 <文/島影真奈美> ―【仕事に効く時代小説】『立身いたしたく候』(梶ようこ)― <プロフィール> しまかげ・まなみ/フリーのライター&編集。モテ・非モテ問題から資産運用まで幅広いジャンルを手がける。共著に『オンナの[建前⇔本音]翻訳辞典』シリーズ(扶桑社)。『定年後の暮らしとお金の基礎知識2014』(扶桑社)『レベル別冷え退治バイブル』(同)ほか、多数の書籍・ムックを手がける。12歳で司馬遼太郎の『新選組血風録』『燃えよ剣』にハマリ、全作品を読破。以来、藤沢周平に山田風太郎、岡本綺堂、隆慶一郎、浅田次郎、山本一力、宮部みゆき、朝井まかて、和田竜と新旧時代小説を読みあさる。書籍や雑誌、マンガの月間消費量は150冊以上。マンガ大賞選考委員でもある。
立身いたしたく候

武家の世界をかけずり回って「立身出世」を試みる、シューカツ時代小説

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