地方発の全国制覇企業には“成功の方程式”がある

「この店、最近よく見かけるな」と思う企業がある。近年であれば北海道を地盤とした「ツルハドラッグ」がその代表であろう。店舗を拡大し続けるチェーン店銘柄の強さを探った

全国展開できるのは地方発の企業!

⇒【前編】はこちら 「地方発の全国制覇企業には“成功の方程式”がある」と株式ジャーナリストの大神田貴文氏は話す。 「一般に地方は所得水準が低く、商圏人口も少ないため、地方の成功企業は低価格販売と利益確保の両立という無理難題を解決した企業が多い。人件費や土地代が安いので店舗網拡大がしやすく、早いうちから積極出店のノウハウを磨くことができるんです。  そして、満を持して首都圏進出を果たす。ファーストリテイリング(山口市)やニトリ(札幌市)がその典型で、地元で体力と低価格競争を勝ち抜くスキルを蓄えた後、いきなり急成長モードに転換し、最後に首都圏に打って出る企業が少なくありません」  首都圏の企業が苦心して積み上げた利益を出店コストとして吐き出して、規模拡大が難航しがちなのとは対照的といえる。 「例えば最近の例でいえばアークスがそうです。ニトリと同じく1960年代に札幌市で創業した大手スーパーチェーンで、積極的な買収を繰り返して、北海道と青森県、岩手県でトップシェアを獲得し、さらに南下を目指しています。アークスがイオンなどの大手を寄せつけないのは徹底した低価格にあります。  昨年は食材価格の上昇でイトーヨーカドーなどの大手が値上げに走るなか、アークスは追随せず、売り上げをさらに伸ばしました。’16年2月期は売上高が初めて5000億円を突破し、10年後に1兆円を目標に据えています」(大神田氏)  地方発・全国展開を目指す小売店や外食産業のチェーン店は、株主優待が魅力的なのも株価を下支えしている。自ら買い物して飲食して、チェーン店銘柄を長い目で応援するのもよさそうだ。 <大神田氏注目!チェーン店銘柄> ●フジオフードシステム
フジオフードシステム

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「毎度おおきに食堂」を主力に4月末で736店を展開。関西で好評のセルフサービスで、47都道府県で営業中。50代から60代の「おばちゃん」店員の雇用に積極的なことでも知られる。店のコンセプトである「あったかい店」が支持され、リピーターが多いのも特徴 ●セリア
セリア

セリア

本社を岐阜県大垣市に構え、100円ショップ2位に成長してきた。化粧品など女性向け商品が得意。大方の100円ショップが原価上昇に耐えきれず、200円や500円など「高額商品」を置くなか、この会社は100円を徹底。今期計画は出店130、退店30の予定 ●コシダカHD
コシダカHD

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持ち株会社の本社は東京都にあるが、本店は群馬県前橋市。ラーメンの屋台から出発。「カラオケ本舗まねきねこ」チェーンは日本一の店舗数。今期は首都圏に集中出店する方針。今期は売上高も営業利益も15%増を見込んで、7期連続増配の予想を掲げる 【大神田貴文氏】 株式ジャーナリスト。国内大手証券、外資系証券などを経て現職。マーケット情報に精通しているだけでなく、個別企業の裏情報も知る事情通。金融、経済政策にも強い 取材・文/全国制覇チェーン店取材班 チャート協力/楽天証券 写真/Ryo FUKAsawa
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