商品先物取引の勧誘ルールが6月1日から緩和。国民生活センターが注意促す

先物取引

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 2009年の商品先物取引法改正で、商品先物取引の販売においては、一般の個人に対して相手の要請がないのに訪問や電話で勧誘営業を行うこと(不招請勧誘)は、一定の例外を除き法律で禁止されていた。  しかし、6月1日から施行される商品先物取引法施行規則等の改正により、この「一定の例外」となる条件が追加され、事実上勧誘ルールが規制緩和されることになる。それに伴い、商品先物取引への投資を考えていない消費者までもが飛び込みの勧誘を受ける機会が増えることが予想され、国民生活センターも注意を呼びかけている。

事実上の「規制撤廃」に近いと弁護士会も批判

 新しい勧誘ルールでは、消費者が現在FXや有価証券の信用取引などのハイリスク取引を行っている場合や、それ以外の人でも以下の3つの条件をすべて満たす場合には業者が不招請勧誘できることになる。 【新しく追加される類型】 [1]65歳未満であること [2]年金等生活者でないこと(年金等の収入の額がその他の収入の額を超えないこと) [3]以下のア、イ、ウのいずれかの条件を満たしていること ア 年収が800万円以上である イ 金融資産を2,000万円以上有している ウ 消費者が、商品先物の専門的な知識を有すると考えられる資格の保有者(弁護士、司法書士、公認会計士、税理士、ファイナンシャルプランナー、証券外務員(一種)または証券アナリストなど)である場合  もちろん、契約前には取引によるリスクを顧客が理解していることをテスト方式により確認することや、契約締結後も14日間の熟慮期間を儲けることや投資上限を設定すること、経験不足の顧客については90日間投資上限額の3分の1までしか取引ができないようにするなどの「習熟期間」、追加損失発生の可能性の事前注意喚起などが条件として組み込まれている。  しかし、商品先物取引がかつて社会問題化したために2009年に不招請勧誘禁止規定が導入されたこと、そしてその禁止規定導入後、商品先物取引に関する相談・被害数は減少傾向にあったという事実がある。  また、「一定の条件」にしても、顧客の適合性確認は業者の勧誘行為の中で行われているわけで、どこまで適合性確認が適正に行われるかなど未知数な点が否めない。  これらの点から、日本弁護士会はこの不招請勧誘禁止緩和は事実上の「規制撤廃」を意味するもので、「省令によって、法律の規定を骨抜きにするものと言わざるを得ない。本省令は、透明かつ公正な市場を育成し委託者保護を図るべき監督官庁の立場と相容れないものである」と強い抗議声明を出している。  こうした抗議声明にも関わらず、商品先物取引法施行規則等の改正が6月1日から施行される。

消費者は改正を認識し、自己防衛を

 そのため、国民生活センターは ----------- 1:取引に関心がない、取引の仕組みやリスクの大きさが理解できないときは、勧誘や契約を断りましょう 2:「必ずもうかる」「絶対に損しない」といったセールストークは信用しないようにしましょう 3:許可を受けている事業者かどうかも確認すること 4:年収などを答える場合は、正確に伝えましょう 5:契約した後であっても、実際の売買はよく考えましょう 6:事業者とのやり取りの記録をとって保存しておきましょう 7:トラブルにあったら、消費生活センターなどに相談しましょう ----------- と呼びかけている。 <文/HBO取材班>
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